日本油化学会 東海支部 油化学セミナー「油脂・脂質の機能性と応用」(2018.6.29)

今年の日本油化学会東海支部油化学セミナーは「油脂・脂質の機能性と応用」と題して5名の講師をお招きし、最新のトピックスを交えてご講演頂きます。中堅社員の方だけでなく、ベテランの方にも興味を持っていただける内容となっております。多数の皆様のご参加をお待ちしております。新入社員、学生の方の参加も大歓迎です

 
  • 主催:公益社団法人 日本油化学会 東海支部
  • 協賛:日本化学会、日本農芸化学協会中部支部、日本栄養・食糧学会中部支部、
    日本生物工学会中部支部、日本分析化学会中部支部
  • 日時:平成30年6月29日(金)10:00~16:30
  • 場所:名古屋工業大学(名古屋市昭和区御器所町)
  •  電話052-735-5000
    [交通] JR中央線 鶴舞駅より徒歩7分、地下鉄鶴舞線鶴舞駅より徒歩10分
       地下鉄桜通線 吹上駅より徒歩10分 
参加費:普通会員・法人会員・協賛団体会員:10,000円、
    学校・官公庁:5,000円、学生:500円、非会員:14,000円(テキスト代含む)

定員:70名申込方法:申込書に記入の上、郵送またはFAXでお申し込み下さい。
申込書はこちらから>>
または、Webページ http://www.c-goudou.org/ からもお申し込みができます。

※参加費は振込または当日ご持参下さい。
申込締切:平成30年6月19日(火)
申込先:〒460-0011名古屋市中区大須一丁目35-18 中部科学技術センター内 
     日本油化学会東海支部
TEL 052-231-3070
FAX 052-204-1469
振込先:みずほ銀行名古屋支店 普通預金口座 No.1103542
     公益社団法人日本油化学会東海支部
プログラム
  • 1.「リン脂質や糖脂質の機能性の新たな展開」 10:05~11:05
    辻製油(株) 機能性事業本部 園良治氏
    食品加工分野を始め、工業分野や医薬・化粧品分野などで古くから使用されている複合脂質としては、各種リン脂質の混合物であるレシチンが良く知られている。近年は、代表的なリン脂質以外に、希少なリン脂質や糖脂質についても、分離・濃縮・改質などの様々な手法により工業的な生産が可能になり、機能性素材として実用化されつつある。本講演では、リン脂質や糖脂質の期待される機能性とその製法について述べる。

  • 2.「不規則な食生活は脂質代謝異常をもたらす-時間栄養学の最近の進歩-」11:10~12:10
    名古屋大学大学院 生命農学研究科  小田裕昭氏
    古くから「規則正しい食生活は健康の秘訣だ」といわれているが、昨年ノーベル賞を取った時間生物学の進歩が概日時計のメカニズムを明らかにしてきた。一般に光が体内時計をリセットすると考えられているが,私たちは腹時計(末梢の肝臓時計など)が摂食タイミングによってリセットされることを明らかにした。シフトワーカー,夜食症候群,朝食欠食など不規則な食生活は脂質代謝を異常にしてメタボ,生活習慣病に結びつく。そのメカニズムが明らかとなってきた。

  • 3.「油脂の構造と機能」13:15~14:15
    東京海洋大学 海洋生命科学部  後藤直宏氏
    トリアシルグリセロール(油脂)はグリセリン骨格に脂肪酸が3つ結合した構造を有し、その脂肪酸の結合位置の違いがトリアシルグリセロールの体内機能に影響を与えることが報告れている。そこで、トリアシルグリセロール異性体の長期動物投与試験結果、さらに安定同位体ラベル化脂肪酸の動物単回投与試験結果を元に、油脂の構造と機能に関して考察する。

  • 4.「食事由来脂質と腸内細菌と機能性」14:20~15:20
    京都大学大学院 農学研究科 岸野重信氏
    食事より摂取した脂質は、ヒトの膵リパーゼによりモノアシルグリセロールと遊離型脂肪酸とに分解され小腸で吸収される。小腸で吸収されなかった遊離型脂肪酸はそのまま大腸へと運ばれるが、遊離型不飽和脂肪酸は腸内細菌に対して生育阻害を示す。そのため一部の腸内細菌は、遊離型不飽和脂肪酸の解毒機構として不飽和脂肪酸飽和化活性を有することが知られていたが、その詳細は不明であった。本講演では、演者らが見出した腸内細菌による脂質、特に不飽和脂肪酸の代謝研究ならびに不飽和脂肪酸代謝産物の生理機能に関する最新の話題を紹介する。

  • 5.「今、また注目される中鎖脂肪酸油の魅力」15:25~16:25
    日清オイリオグループ(株) 中央研究所 渡邉愼二氏
    中鎖脂肪酸油は、1960年代頃から術後や未熟児のエネルギー補給の用途で利用され一時期は医薬品としても登録されていた。現在は、肥満予防、スポーツでのエネルギー補給、高齢者では、低栄養、サルコペニア予防、認知症予防の視点で応用研究が進められている。医療領域では、ケトン食の成分として癲癇や癌の栄養補助療法への利用・検討がなされている。エネルギーになり易いという特徴以外に新たな生理機能が見出されつつある。