科学の進歩は,人類・社会に文明をもたらし,文化的で,快適な生活を営むことに貢献してきた。一 方,その進歩によって自然環境バランスを崩し,社会に負の影響を及ぼしてきた。しかし,その解決も また科学の英知に委ねられる。ゆえに,科学者は,学問の自由のもとに,自らを厳正に律し,科学と社 会に対しての倫理観の醸成に努める責務を有する。 日本油化学会会員は,油化学およびその関連分野における科学と技術の進歩・発展に貢献すべく,自 ら研鑽し,科学的知見の公開および技術力の向上に努める責務を有する。 これらの基本的認識のもとに,日本油化学会は最小限の行動規範を以下のとおり策定した。これらは, 日本油化学会が社会からの信頼と負託に応えるためには不可欠である。

(会員の使命)
1. 日本油化学会会員は,油化学およびその関連分野における最新の科学と技術によって,
    美しく,健 康で,清潔な国民生活と福祉の増進に寄与し,地球環境の保全に貢献する。

(社会への貢献)
2.日本油化学会会員は,科学と技術が社会からの信頼と負託の上に成り立つことを認識し,
   それらの 進歩によって生み出される成果をもって社会の発展に貢献する。

(会員の責務)
3. 日本油化学会会員は,油化学およびその関連の科学と技術を進展させる専門家であるこ
    とを自覚し, 正直さと誠実さをもって判断し,行動する。また,科学と技術の成果の
    正当性を示す責務を有する。

(会員の倫理)
4. 日本油化学会会員は,自らの研究の企画・実施・報告などの過程において,研究成果を
    厳正 に取り 扱い,不正な行為は行わず,またこれに加担しない。

(他者への配慮)
5. 日本油化学会会員は,研究への協力者の人格と人権を尊重するとともに,他者の研究・
     開発の成果 を正当に評価し,名誉や知的財産権を尊重する。

(自己研鑽)
6. 日本油化学会会員は,科学・技術と社会・自然環境の関係を広い視野と高い見地から
    理解し, 自らの 専門知識の維持向上に努める。