新年、あけましておめでとうございます。日本油化学会がさらに発展できるように本年も尽力致しますので、会員の皆様には引き続きご協力をお願い申し上げます。
昨年度の学会活動や理事会で決断した内容を振り返ってみますと、まず頭に浮かぶのは本年度から年会費を値上げしたことです。たいへん心苦しい決定でしたが、既刊の巻頭言等でお伝えしました脆弱化した財務体質の改善策ということでご理解をお願い致しました。もう一つは、本会の最も重要な活動である年会を強化するために、年会改革推進委員会を発足させたことです。委員長の朝倉浩一教授(慶應大学)がリーダーシップを発揮され、委員会を精力的に運営されています。本年中に改革案の骨子を固め、来年度の年会から実践して頂けると伺っています。
第56回年会と第2回アジアオレオサイエンス会議との共同開催も強く印象に残っています。参加費が通常の年会より高額であるにもかかわらず、国内外から予想以上の参加者を得たことは実行委員長の一人として非常にうれしくもあり、また随分と安堵したことを覚えています。財務的な負担を軽減した国際会議のあり方として提示できたことはよかったと思っています。
さて、本年の重要な活動に目を向けてみますと、筆頭は神戸学院大学の戸谷永生教授を中心に準備を進めて頂いております第57回年会の開催です。会員の皆様の参加によって成功裏に終わることを願っています。また本年初頭には、総務委員会の精力的な努力により学会ホームページがリニューアルされます。外部への情報発信力の強化、さらに会員への情報提供の充実が実現されます。2021年の第60回年会や2022年の創立70周年などの立案も本年度の重要な課題です。これらの記念行事につきましてご意見やご提案がありましたら、是非、理事会メンバーにお申出下さい。
これまでの運営委員会や理事会の議論は、毎年度の決まった議案を除くと、財務状況とその改善策に多くの時間を費やしてきました。本会の生き残り戦略を策定する喫緊の課題であったため、避けては通れない議論でした。新年ですので、少し夢を語りたいと思います。年会改革推進委員会の改革案よって年会が、研究者や学生の学問的な探究心を誘起し、より活発な学術的な議論の場に生まれ変わることを期待しています。また桑田事務局長にお願いしている年会への事務局のサポート体制が強化され、実行委員会は年会の企画だけに集中できる体制が構築できることを思い描いています。さらに財務体質や会員減少などの問題がなくなり、理事会での議論は学術的な活動や広報活動の策定などに時間を割き、オレオサイエンスの発展のみに専念できる従来の日本油化学会に早く復帰させることが私の夢です。