2019 新年のご挨拶

河 合 武 司
公益社団法人日本油化学会 平成29年度会長
東京理科大学教授

新年、あけましておめでとうございます。日本油化学会のさらなる発展のために、本年も尽力致しますので、会員の皆様には引き続きご協力をお願い申し上げます。

 昨年度を振り返ってみますと大きな出来事は、まず事務局長の桑田和彦様が急逝されたことです。想像もしていなかったことでたいへんショックを受けました。心よりお悔やみ申し上げます。桑田様の穴を埋めるために、田中様をはじめとする事務の方々、各委員会の委員の皆様、特に委員長にはご負担をお掛けしました。また経験豊かな前事務局長の清宮様からはボランティアとして強力なサポートを頂きました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。桑田様の後任として金子行裕様が昨年11月に着任されました。新体制の事務局のご協力を得ながら、桑田事務局長のご遺志を引き継いで本会の改革、特に年会の企画・運営方法と財務体質の改善を進めたいと考えています。

 さて、本会の最も重要な活動である年会に目を向けてみますと、年会改革推進委員会および年会企画運営委員会のご尽力により、魅力的な年会を効率よく企画・運営できる方策案が纏まりつつあります。具体的な改革案は来年度以降の年会から実施予定と伺っています。昨年度の第57回年会は戸谷永生教授を中心に神戸学院大学で開催されました。ご存じのように台風のため初日は中止されましたが、2日目以降は順調に一般口頭発表、ポスター発表、JOCS-AOCSジョイントシンポジウムなどが開催され、盛会のうちに幕を閉じました。年会の1週間ほど前から台風の進路予想は出ておりましたが、直撃するとは信じていませんでした。戸谷先生から土曜日(開催の3日前)の夜遅くに、年会の開催についてご相談のメールを頂きました。年会実行委員会で議論を重ねられ、翌日の日曜日に「年会初日は中止」との英断を下されました。台風が上陸した時、私は神戸のホテルに滞在していましたが建物の揺れの大きさで風の強さを実感し、戸谷先生の判断が的確であり初日を中止して本当によかったと思いました。第57回年会ではJOCS-AOCSジョイントシンポジウムも行われましたが、会場に来るのに苦労されたAOCSメンバーもいました。しかし、「忘れられない学会発表の一つ」になったと笑顔でお話しになっているのを伺ってたいへん安堵しました。当研究室の学生も学会初日の午前に東京を出発して新大阪に到着したのが深夜となり、結局、新幹線で仮眠をとり学会会場に来ましたが、良い思い出になったと言っておりました。

 今年度の第58回年会(実行委員長:後藤直宏教授)は9月24日~26日に東京海洋大学で開催予定です。皆様の積極的な参加によって成功裏に終わることを願っています。来年以降の年会開催地についてもほぼ決まりました。来年度2020年は東海支部 岐阜大学、2021年は関西支部 高知工科大学です。さらに2022年は本会70周年記念で、実行委員長の朝倉先生が会場は東京ではなく、これまで開催していない北海道 釧路などを候補地に挙げておられますので、楽しみにして下さい。

 昨秋、本会の名誉会員でいらっしゃる北原文雄名誉教授の白寿の記念祝賀会に参加させて頂きました。化学史の論文をコンスタントに執筆されていることや滔々とお話になるお姿を見て、自分は果たして何歳まであのような明晰な頭脳が維持できるのかと驚きと憧れの目で見ておりました。脳の機能を健全に保つためには、身体の健康が第一と考えるのですが、ついつい日頃の忙しさにかまけて、運動から遠ざかる日々を重ねているのが現実です。またお酒の方も、これぐらいは大丈夫と飲み過ぎる悪習が身についてしまっています。今年は生活習慣を見直して、頭脳労働が少しでも長くできるような身体作りに心がけたいと考えています。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。