魅力ある会誌づくりを目指して

仲 川 清 隆
日本油化学会 オレオサイエンス編集委員長
東北大学大学院 農学研究科 教授

  この度、「オレオサイエンス」誌の編集委員長を仰せつかりました。

  本誌は,ご承知のように日本油化学会の情報誌として,学会と会員の皆様を結ぶ役割を担っています。これまで,前編集委員長の先生方を中心とした編集委員の皆様の努力により,誌面の活性化が図られてきました。(これまで筆者は,原節子委員長,岡野知道委員長,酒井秀樹委員長,そして木田敏之委員長の下で,編集委員を務めさせて頂きました。)現在のオレオサイエンス誌は,従来から続く「特集」,「研究室紹介」,「学会参加記」,「油脂関連情報」,「会員のひろば」,「会告記事」に,「若手研究者紹介」,学術専門委員会とのコラボ企画である「Topics in Oleo Science」が加わり,一層充実した内容になっております。

 本誌の中で,特に「特集」は,本学会に深く関わる油脂科学と界面科学,また様々な関連研究の最近のトピックスを「総説」として紹介しており,目玉企画です。そして,皆様がご承知のように,この「総説」(および「入門講座」等を含む)のJ-STAGE (https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja)への収載が2013 年より始まり,本日(2019 年6 月7 日)の時点で,2001 年1 巻から2016 年16 巻までの計604 報が収載されています。誰でも,いつでも自由に「総説」をダウンロードして,閲覧することができるようになっています。こうしたオンラインの取り組みが始まって,およそ7 年が過ぎましたので,ここでは,巻頭言という場をお借りして,「総説」のJ-STAGE アクセス履歴を解析してみようと思います(解析にあたり,オレオサイエンス編集事務局の協力を頂きました)。

 年間のアクセス履歴の集計結果の推移を見ると, 2014年の「総説」のPDF ダウンロード総数は66751 となりました。2015 年のダウンロード総数は82219,2016 年は107195 と増加し,その後2017 年は240978,2018 年は246728 と一定の落ち着いた値となっています。油化学会の会員数が約1000 人ですので,もし仮に会員のみがダウンロードしていたとすれば,最近の年間の一人の「総説」のダウンロード数は約240 論文と計算されます。この数は,オレオサイエンス誌の各巻に掲載される「総説」が3~5 論文ですので,約60 巻分もの数に相当します。このことから,やはりオンライン化のインパクトは非常に大きいと言えると思います。もちろん実際には,会員外の一般の方も数多くアクセスされると思いますので,その数が気になるところですが,こうした情報は得ることができず,この点が今後の課題と感じました。他方,国別のアクセス割合を見てみると,例えば2018 年12 月の「総説」のPDF ダウンロード総数は,日本21279,アメリカ4287,中国85 となり,アメリカからのアクセス数が(案外?)多いのがおわかり頂けると思います。実は,これまでの各年の国別のアクセス割合には大きな変動は見られず,一貫して,日本の次は,アメリカ,次いで中国となっています。このことに関して,海外では“Google 翻訳で全文翻訳して情報を得ている” との噂も耳にします。いずれにしても,オンライン化は和文誌であるオレオサイエンス誌の「総説」のグローバル化に貢献していると考えられます。

さて,ここで大切な連絡がございます。これまでは,冊子体のオレオサイエンス誌に「総説」が掲載されると,その約2 年後にJ-STAGE へ収載されることとしてきました。したがって,タイムラグがあり,本日(2019 年6月7 日)の時点で,J-STAGE に収載されている新しい「総説」は上述のように2016 年16 巻のものになります。今年からは新たに,冊子体のオレオサイエンス誌に「総説」が掲載されると,直ちにJ-STAGE へその「総説」が収載される方式へと変わります。このことが,本誌のインパクトやグローバル化を一層加速することを願ってやみません(図中の月間アクセス数ランキングの上位は,実は「総説」ではなく「入門講座」が占めておりますが,今年からの新方式によりランキング上位に「総説」が食い込んでくるのでは?,と予想しております)。もちろん,特集以外の企画(「研究室紹介」や「学会参加記」,「油脂関連情報」,「会員のひろば」,「会告記事」,「若手研究者紹介」,「Topics in Oleo Science」,等々)は今後も冊子体のみでしか見られませんので,引き続き冊子体もご愛読頂きたく思います。

編集委員の皆様とともに,魅力あるオレオサイエンス誌づくりに全力で取り組んで行く所存です。皆様のご協力,ご支援,ご声援を宜しくお願いいたします。

(2019年8月)