ご挨拶

日本油化学会 第59回年会

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こんな時代に
ー 蛮勇を奮わず,正しく怖れ,使命を果たす-
インターネットを活用したWeb開催

公益社団法人 日本油化学会 会長 朝倉 浩一

2020年9月23日 第3報

武漢での新型コロナウィルス感染拡大が報道されるようになったのが本年1月中旬,大型クルーズ船での集団感染が発覚したのが2月上旬,まだ,全地球規模で,「こんな時代」が訪れることなど全く予想もせず,平和ボケの毎日を過ごしていた私の周辺の社会状況が,一気に急旋回をはじめたのが2月中旬でした。そこから半月も経たないうちに小中高は休校となり,ほぼ全ての大学が卒業式の中止を決定,そして,ほぼ全ての学協会が3月中に開催予定であった年会や講演会等の行事を中止し,ただし発表要旨集の発行をもって発表は成立としていました。さらに年度が明けると,大学の入学式は中止あるいは延期,授業はオンライン化,そして企業ではテレワークが始まりました。

その頃,よく言われた言葉が「学びを止めない」でした。そして,児童,生徒,学生が学びを止めないのと同様に,オレオサイエンス分野の科学者・技術者の皆様が,研究や開発を潤滑に続けていただくため,日本油化学会はどのように「使命を果たす」ことができるかを考えました。その具体的な内容を4月の理事会で議論させていただき,辿り着いた結論は「単に互いの発表要旨や資料を閲覧するだけではないレベルの年会の開催」でした。ただし,我々科学者・技術者は,新型コロナウィルス禍下,科学的根拠に基づいた方策で自身の安全確保にも責任を持つべきであり,「蛮勇を奮わず,正しく怖れ」,対面形式での開催は取り止めてWeb年会を開催することを決定しました。

この度,82件の一般口頭発表ならびに32件のショートプレゼンテーションのお申し込みを受けました。これは普段の年会と比較して大幅に少ない数ではなく,このような状況下,主旨にご賛同いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。皆様のご発表を視聴させていただくこと,今からとても楽しみです。なお,この度のWeb開催への移行にご協力いただきました纐纈守年会実行委員長(次年度へ移行)ならびに理事会構成員各位に深く感謝致します。

また,本Web年会上において,数多くのセミナーおよび講演会を開催できることとなりました。具体的には,「特別セッション:新型コロナウイルス対応技術」,「日本油化学会進歩賞受賞講演」,「オレオマテリアル賞受賞講演」,「界面化学特別講演」,「特別セミナー:五感を操るモノづくりと最新技術」,「ミニ・フレッシュマンセミナー」です。参加登録いただいた皆様は,年会開催期間中これら全てを無料でご視聴いただけます。講演をご快諾いただいた講師の方々に深く感謝しますとともに,それぞれをご企画いただいた,金子行裕事務局長,学会賞等選考委員会:仲川清隆委員長,オレオマテリアル部会:渡辺嘉部会長,関東支部:元田兼一郎幹事,企画・部会統括委員会:津田信治,伊村くらら両委員に厚く御礼申し上げます。

2020年7月8日 第2報

日本油化学会は,年会の開催以外にも毎年多くのセミナーや講演会を開催してまいりました。ところが本年度の前半は,新型コロナウイルス禍により,それら全てが中止あるいは延期となってしまいました。しかしながら,それでは「こんな時代に − 蛮勇を奮わず,正しく怖れ,使命を果たす」とはならず,そこで本会各支部ならびに各部会の委員各位ご尽力いただき,本Web年会上において,以下のように数多くのセミナーおよび講演会を開催することとなりました。本Web年会に参加登録いただいた皆様は,年会開催期間中,これら全てを無料でご視聴いただけます。これら講演のご視聴を主たる目的とした参加も,大いに歓迎致します。

  • 今回新たに設けた「新型コロナウイルス対応技術」のセッションでは,一般口頭発表およびショートプレゼンテーションを公募するとともに,5件の招待講演を開催することとなりました。
  • 関東支部主催の第1回油化学セミナー「五感を操るモノづくりと最新技術」を,本Web年会上で開催することとなりました。どの地域にお住まいであるかに関わりなく,5件の特別講演をご視聴いただけます。
  • 例年人気の「フレッシュマンセミナー」を,講師の方々のご厚意により開講することとなりました。システムの都合で全講義30分ずつの「ミニ・フレッシュマンセミナー」となりますが,「油脂と脂質」および「界面科学と界面活性剤」共に,6件ずつの講義をご視聴いただけます。更に理解を深めたい方には,参考書となる教本油脂・脂質の基礎と応用界面と界面活性剤)を有料ですが,定価6,000円を2割引き特価でご提供します。

なお,本Web年会上の企画として,今後も様々な講演を追加していく予定です。

2020年5月28日 第1報

昨年度より本会会長を務めさせていただいております,慶應義塾大学の朝倉です。新型コロナウィルスで,大変な時代になってしまいました。しかしながら,我々科学者・技術者は,それに対処する知識とそれを克服する意思を有しているはずです。研究開発の歩みを止めることなく,この世の中を良い方向へ向けて先導していこうではありませんか。

「こんな時代に − 蛮勇を奮わず,正しく怖れ,使命を果たす」ということで,第438回理事会にて,日本油化学会第59回年会をインターネットを活用したWeb開催へ移行することを決定しました。各発表について,1)発表要旨のpdfファイルの閲覧2)音声付き発表スライドの視聴3)質疑応答,の3件がオンライン上で実施できる機会を提供します。そして,これまで通りにヤングフェロー賞と学生奨励賞の表彰を行うと共に,本来,岐阜大学で開催予定であった本年年会の纐纈 守 実行委員長のご尽力により新たに導入されることとなった,英国王立化学会(RSC: Royal Society of Chemistry)よりのRSC Advances賞の表彰も行います。さらに,例年のポスター賞に替わり,本年度限定でショートプレゼンテーション賞の表彰も行います。また,急遽「新型コロナウィルス対応技術」というセッションも立ち上げることとしました。

来年に延期となった岐阜での年会において,ぎふ長良川の鵜飼を眺めながら観覧船上で皆で一杯やるシーンを思い浮かべ,今年はコンピューター前に集ってオンラインで繋がり,オレオサイエンスを語り合いましょう!

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