日本油化学会

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日本油化学会界面科学部会 東海地区行事

平成25年度 界面科学実践講座2013報告

界面科学実践講座2013 -基礎と応用-(東海)

 平成25年12月6日(金)に界面科学実践講座2013-基礎と応用-(東海)が、界面科学部会(東海)と日本油化学会東海支部の共催で開催されました。本講座は、20年以上にわたり、この東海地区で若手研究者、営業関係の方、学生の皆さんを対象に、界面科学の基礎的な内容を学んで頂く講座として開催されています。今年の参加者は、講師・幹事を含め75名で、例年よりも、会社関係の方に多く参加して頂きました。講座の後の懇談会も、聴講者同士や講師の先生方との交流の場として大変有意義でありました。今年の講座では、濡れの基本的なお話を頂くために元北海道大学電子科学研究所教授の辻井薫先生にお願していたのですが、開催前々日に先生から尊母様がご逝去されたと連絡頂き、辻井先生の提示資料をもとに副部会長の村田先生が説明するというプログラム変更がありました。参加者へのアンケートでも辻井先生に再度講義を頂きたいという要望も多く、先生に再登板願いたいと思っております。

【プログラム】
1.「界面活性剤概論 -両親媒性分子の構造と性質-」

鈴鹿工業高等専門学校 生物応用化学科 高倉 克人 氏

界面活性剤概論として、界面活性剤の分子構造と水溶液中で示す一般的な性質について非常に重要な事項にポイントを絞ってお話を頂きました。

2.「コンクリート材料における界面活性剤の役割と特性」

竹本油脂株式会社 第3事業部 研究開発部 岡田 和寿 氏

界面活性剤が、コンクリートの機能付与剤として必要不可欠なものであり、コンクリートの各種性状を改善するために重要なものであることを認識できました。特に、工事現場で生コンが流水のように流れて施工されている動画は興味深いものでした。

3.「濡れの原理と超撥水/撥油表面」

元・北海道大学電子科学研究所教授 辻井 薫 氏(村田副部会長より資料説明)

村田副部会長より辻井先生の資料を利用して「濡れ」について参加者の皆さんに説明させて頂きました。

4.「乳化重合-理論と工業的利用-」

木村技研 木村 次雄 氏

界面科学と重合理論をベースに乳化重合理論の成立と発展、および様々な構造を有する高分子微粒子合成技術と利用について紹介して頂きました。

5.「乳化の基礎」

日本メナード化粧品株式会社 研究技術部門 開発研究部
基礎化粧品第三研究グループ 坂 貞徳 氏

開発現場の経験をもとに、乳化の利用・理解について基礎となる乳化の種類及び調製法、乳化剤の選択、乳化の安定性、さらに熱力学的に安定な系である可溶化との比較について紹介して頂いた。


講座の様子


懇談会の様子