第4回 オレオマテリアル学術交流会
日 時:令和3年11月5日(金)13:00~17:00
主 催:日本油化学会 オレオマテリアル部会
協 賛:
会 場:Zoom
【演題と講師】
13:00~13:05 オレオマテリアル部会長挨拶
13:05~13:35 『新規界面活性剤の分子設計・合成と分子集合体の物性および構造に関する研究』
奈良女子大学 矢田 詩歩 氏
これまでに,従来の界面活性剤の性能の向上や機能性の発現を目指して,新しい構造をもつ界面活性剤の分子設計が多数行われてきた。我々は,新規界面活性剤の分子設計・合成から物性評価まで幅広い研究に一貫して取り組んできた。本講演では,近年我々が精力的に取り組んだ「末端基修飾型単一鎖長ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の合成および水溶液物性」,「ヒドロキシ基含有アミノ酸系界面活性剤がつくる泡沫の中性子小角散乱を用いた構造解析」の研究成果を紹介する。
13:35~14:05 『イオン結合を利用したリグニンスルホン酸由来の複合材料の開発および応用』
産業技術総合研究所 機能化学研究部門 バイオケミカルグループ 牛丸 和乗 氏
木材の主成分の一つであるリグニンは、芳香環が共有結合で架橋された剛直な高分子であり、高強度バイオベース材料の原料として期待されている。一方で、「硬くて脆い」「成形加工が困難」といった課題を有するため、材料化の成功例は限られている。本講演では、リグニン製品の一つであるリグニンスルホン酸を用いた複合材料の開発・応用について、2020年度オレオマテリアル賞の受賞内容を中心に、最近の成果も交えて紹介する。
14:05~14:35 『界面活性剤水溶液の分子シミュレーションおよび機械学習を組み合わせた物性予測』
慶応義塾大学 理工学部 荒井 規允 氏
水溶液内における界面活性剤は,分子の化学的な性質や熱力学的条件に依存し,ミセルやベシクルなど様々な形態を取り,それによって水溶液として多彩な性質を示す.本発表では,界面活性剤水溶液が示す性質とその内部構造の関係について分子シミュレーションによって調べた結果に加え,それらと機械学習を組み合わせることで,界面活性剤水溶液の物性の予測に挑戦した結果について紹介する.
14:35~14:45 休憩
14:45~15:15 『ファインファイバー技術のスキンケア、メイクアップへの応用』
花王株式会社スキンケア研究所 内山 雅普 氏
ファインファイバー(FF)技術は静電紡糸法を基にして、肌に直径1μm以下の極細繊維被膜を形成することが出来る新たな技術である。本発表では、FF技術をスキンケア化粧料と組み合わせることで、肌上に湿潤環境を作るスキンケア、そしてメイクアップ化粧料と組み合わせて出来るメイクアップなど、化粧品への応用について紹介する。
15:15~15:45 『一価銅化合物を活用した抗ウイルス技術Cufitec®(キュフィテック)』
株式会社NBCメッシュテック 研究開発本部 長尾 朋和 氏
我々は銅系抗ウイルス剤の1つとして一価銅化合物の高い抗ウイルス性を見出し、そのメカニズムの解明と応用に取り組み、抗ウイルス技術Cufitec®として、様々な形態に幅広く使用できる材料・製品を研究開発してきた。本発表では、一価銅化合物の抗ウイルス性・抗菌性に焦点を当て、そのメカニズムと応用展開について概説する。
15:45~16:15 『サステナブル社会に向けた化粧品原料とパッケージ材料』
株式会社資生堂 ブランド価値開発研究所 サステナブル開発推進グループ 熊坂 欽典 氏
SDGsをはじめとするサステナブル社会に向けた取組みの一環として、化粧品に配合する原料、及び容器包装に用いられる材料に関して説明する。原料については、環境に配慮した成分の選択を進めており、パーム油のサステナブルな調達について、2026年を目標に進めている状況を紹介する。パッケージについてはレフィルを配置するなどの再使用可能な設計や、廃棄後にリサイクル処理をしやすくする設計、植物由来素材や生分解性素材などLCAに配慮した材料を活用することの事例を紹介する。
■セミナー終了後、ブレイクアウトルームを活用した講師の先生との個別交流会も開催する予定
【申込み&問合わせ】
- 申込み方法
事前に必要事項(氏名、所属、連絡先、参加費額)をご記入の上、下記E-メールまでご連絡をお願いします。申込みおよび振込みの両方が確認されましたら、ZoomのURLを送付いたします。
連絡先: 千葉工業大学 柴田裕史 (部会幹事)
E-mail: hirobumi.shibata@it-chiba.ac.jp
申込み・振込み〆切:2021年11月1日(月)
- 参加費:
オレオマテリアル部会普通会員3,000円
オレオマテリアル部会友会員・法人会員4,000円
会員外5,000円(テキスト代込み)
指導教員がオレオマテリアル部会普通会員である研究室に所属する学生:無料
(学生は、参加希望者が多い場合には、お断りさせていただく場合がございます。ご了承ください。)
- 振込み先
三井住友銀行 鎌ヶ谷支店(905)口座番号 普通0660040
名義:日本油化学会オレオマテリアル部会(ニホンユカガクカイオレオマテリアルブカイ)
※振込み手数料は、各自でご負担の程、宜しくお願いいたします。
第3回オレオマテリアル学術交流会
日 時:2019年 11 月 18 日(月)13:00~17:10
主 催:日本油化学会 オレオマテリアル部会
協 賛:日本化学会、高分子学会、色材協会、日本化粧品技術者会
後 援:日本農芸化学会
会 場:東京理科大学神楽坂キャンパス 1 号館 17 階記念講堂 東京都新宿区神楽坂 1-3、飯田橋駅下車、徒歩 3 分 https://www.tus.ac.jp/info/campus/kagurazaka.html
【演題と講師】 13:00~13:05 オレオマテリアル部会長挨拶
13:05~13:35 『アルキル変性シリコーン乳化剤の開発』
信越化学工業㈱ Cosmetic Application Lab 早川 知宏 氏
化粧品の処方設計において、汗や水に対する持続性が要求される場合等、しばしばW/O型製剤で設計 する。W/O 型用の乳化剤は、使用する油剤の種類によって影響を受けるため、処方に合った乳化剤を選 択する事が好ましい。シリコーン乳化剤は疎水基の構造を変化させることで、その性質を変えることが可能 である。本講ではアルキル変性シリコーン乳化剤の性質について紹介する。
13:35~14:05 『長鎖 PEG を有する非イオン界面活性剤を活用した泡質改善技術の開発』
日油㈱ 油化学研究所 関口 孝治 氏
シャンプーやボディーソープのようなトイレタリー製品では、汚れを落とす洗浄力だけでなく、使用感、機 能性、心理的な観点から優れた泡性能が求められる。我々は、ポリエチレングリコール(PEG)鎖の水中に おける高い運動性、排除体積効果に着目し、長鎖 PEG を有する非イオン界面活性剤を活用した泡弾力、 泡安定性改善技術を開発した。本講演では、これらの技術及びその作用機構について紹介する。
14:05~14:35 『ビタミンナノエマルションの膜透過性と点眼薬への応用』
ライオン株式会社 薬品研究所 栗岡 昌利 氏
ビタミンA誘導体の一つであるレチノールパルミチン酸エステル(VApal)は、角膜の創傷治癒効果を有 する脂溶性物質である。VApalを点眼薬へ配合するためには、界面活性剤を用いて製剤中へ分散させるこ とが必要となる。我々はビタミンナノエマルションの細胞膜に対する吸着や膜透過挙動を検討し、臨床試験 で高い有効性を立証した点眼薬を開発した。本講演では、乳化剤である、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 60(HCO60)とポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(EOPO)が誘引する膜透過挙動に着目 して解析した、有効性発現に関わるメカニズムを中心に紹介する。
14:35~15:35 ポスターセッション & コーヒーブレイク同フロアにて
15:40~16:10 『サステナブル社会に向けた界面活性剤バイオ IOS の開発』
花王株式会社 マテリアルサイエンス研究所 主席研究員 坂井 隆也 氏
日々のキレイで快適な生活に洗浄剤は欠かせない。その多くの洗浄剤の主成分は、界面活性剤である。 現代、工業的に使用されるほとんどの界面活性剤は、植物油脂を原料として製造されているが、将来の世 界人口の増加に対して植物油脂の供給量は不透明であると言われている。日々の快適な生活を将来にわ たって持続するためには、界面活性剤の原料から使い方までを見直す必要がある。アニオン界面活性剤 バイオ IOS は、こうした洗浄剤だけではなく生活のサステナビリティの実現を目標に開発され、実用化に至 った。本講演では、バイオ IOS の開発経緯とその特性を紹介する。
16:10~16:40 『質量分析によるキラリティー検出法』
大阪産業技術研究所 靜間 基博 氏
質量分析は最も高感度な有機化合物分析法の一つである。近年では、一昔前までの有機化学分野で の活用だけでなく、食品、医薬品、環境科学、犯罪科学などの身近な分野から、宇宙科学、あるいは、医療 診断などの幅広い分野で活用されるようになった。それに伴い、さまざまなイオン化法や質量分離法など の装置、アプリケーション、他の分析法との組み合わせ、データー解析法などが日進月歩で研究開発され ている。しかしながら、質量分析は本質的に立体構造解析に対しては無力である。それでも様々なアイデ アを活用した質量分析による立体構造解析法が提案されている。最近の立体構造解析へのさまざまな挑 戦的な研究、および、演者らによるキラリティー検出のための質量分析について紹介する。
16:40~17:10 『微生物がつくる膜粒子(MV) ?MV の形成機構と機能?』
筑波大学 生命環境系・微生物サステイナビリティ研究センター
JST ERATO 野村集団微生物制御プロジェクト 野村 暢彦 氏
近年、微生物は自身の細胞膜を利用して細胞外膜粒子(メンブレンベシクル(MV))をつくることが明らか になってきた。MV には、DNA、RNA、タンパク、微生物シグナルなどのその他代謝産物が含まれており、 細胞間相互作用において重要な役割を担っている。MV の形成機構と機能について、最新のイメージング 解析技術をふまえて紹介する。
■セミナー終了後、同フロアにて、ミキサーを開催致します■
【申込み&問合わせ】 申込み:当日受付も可能ですが、事前に必要事項(氏名、所属、連絡先、参加費額、ミキサー参加の有無) をご記入の上、下記 E-メールにてご連絡をお願いします。
参加費: 学生 2,000 円 本会会員,協賛・後援学会個人会員 6,000 円 友会員,法人会員・協賛・後援学会法人会員 8,000 円 会員外 10,000 円(テキスト代込み、当日会場にてお支払い願います)。 ミキサー:4,000 円
連絡先: 千葉工業大学工学部 柴田 裕史 (部会幹事)E-mail: hirobumi.shibata@it-chiba.ac.jp
申込み締切り(ミキサー参加の場合): 2019年11 月 8 日 (金)