
令和7年度第1回油化学セミナー
資源枯渇を解決する未来素材
現代社会における資源枯渇問題は、私たちの未来にとって重要な課題です。本セミナーでは、「資源枯渇を解決する未来素材」をテーマに、藻類、油脂酵母や培養肉といった新たな素材の活用方法について、専門の先生方をお招きし、最新の研究成果をご紹介いただきます。社会実装の課題に加え、医療分野への応用についても視野に入れたトピックを取り上げ、これからの技術革新に向けた展望を考えます。どのように私たちの社会や生活に影響を与え、次世代に貢献するのか、みなさまと共に学び、議論できる貴重な機会です。未来の素材と技術について一緒に考える場としてご活用ください。

プログラム(演題および講師)
13:00-13:05 開会の辞
13:05-14:05
講演① カカオショックと油脂物性の課題
広島大学名誉教授 佐藤 清隆 氏
西アフリカを襲った異常気象や病害のためカカオ豆の国際価格が急騰するカカオショックが生まれている。それへの対応として、ココアバターやカカオそのものの代替技術と関連する油脂物性の研究課題について解説する。
14:05-15:05
講演② 微細藻類による油脂生産技術の開発 ~パーム核油や魚油の代替を目指して~
花王株式会社 尾崎 達郎 氏
サステナブルな油脂源の開発を目指し、光合成藻類の研究を進めている。界面活性剤の原料となるラウリン系油脂や様々な生理活性が知られる EPA を高生産できる藻類株の開発、およびこれら藻類株の培養・油脂抽出検討等について紹介する。
15:05-15:15 休憩
15:15-16:15
講演③ 健康長寿と資源循環に貢献する微生物バイオテクノロジー
広島大学大学院教授 秋 庸裕 氏
有用油脂の安定供給と資源循環社会の実現の両立をめざして、各種微生物を活用したバイオテクノロジーの可能性を追究している。本講演では特にカーボンリサイクル技術の応用展開について紹介する。
16:15-17:15
講演④ 3Dプリンターを活用した霜降り培養肉の作製と今後の展望
大阪大学大学院教授 松崎 典弥 氏
オンライン講演となります
世界の人口は2050年には97億人に達し、人口増加と食生活レベルの向上によりタンパク質の需要と供給が崩れる「タンパク質危機」が起こると予想されている。また、ウシのげっぷはメタンガスを含むため環境負荷が高く、また、動物愛護の観点からも家畜の削減が望まれている。これらの課題を解決する新しい食品として、細胞から作られた「細胞性肉(培養肉)」が期待されている。我々は、3Dプリントを活用することで従来の培養肉より本物の畜肉に近い培養肉をテーラーメイドで作製できる技術を開発した。本講演では我々の研究開発だけでなく大阪・関西万博での展示と社会実装に向けた取り組みについても紹介する。
17:15-17:30 名刺交換会
申込方法:①氏名、②所属、③参加区分(個人会員・法人会員・協賛会員・一般・学生)、④懇親会の参加有無を明記の上、E-mailにて下記宛てにお申し込みください。
申込先:株式会社 スモールウィン 小山 匡子
E-mail: koyama@smallwin.jp
申込締切:2025年 6月16日(月)
定員に達した場合は締め切らせていただきます。
参加費:
日本油化学会個人会員 6,000円
日本油化学会法人会員 8,000円
協賛会員 8,000円
一般 10,000円
学生 3,000円
懇親会: 会員・一般 5,000円、学生1,000円(17:30~19:30)
支払い方法:E-mailにて申し込み後、参加費を当日受付にてお支払いください。

関東支部では油化学情報の発信を目的として年3回の油化学セミナーを主催しております。
油化学セミナー | 内容 |
第1回 | 油化学や油脂関連産業に関する最新トピックスをご提供します。 |
第2回 | 市民公開講座として、地域の方の生活に役立つ油化学をやさしくご案内します。 |
第3回 | 若手研究者奨励賞受賞記念講演会です。未来にはばたく若手研究者の最新の研究を講演をお届けします。 |
過去の関東支部油化学セミナー開催実績(平成25年以降)はこちらをご覧ください。