これまでの受賞者

※所属は受賞時です

第10回(令和4年度)受賞者

第10回若手研究者奨励賞の受賞、おめでとうございます 。

ついにこの賞も10回目の受賞者を発表することとなりました。回数も二桁に乗ったことからちょっとした歴史を感じるまで成熟してきた賞と言えるのではないでしょうか?元々この賞は、年会での発表の中から関東支部の審査委員が、「もっと詳しく聞いてみたい」、「多くの人に聞いて貰いたい」という気持ちを抱いた発表を個人的な趣味で選ぶという考えから始まりました。始めた当初は、「いつまで続くことやら?」と少々心配していましたが、年々受賞者のレベルが上がってきており、いまや関東支部を代表する賞となっています。そして、この賞を足掛かりにして進歩賞やヤングフェロー賞などを受賞された研究者もいます。受賞者の皆様におかれましては、是非、そのような賞を受賞したという自負心を持ってこれからも研究に励んでいただきたいと思います。

昨年度の若手研究者奨励賞の受賞者講演は今年開催したWCOSの中で行いました。これは、新型コロナの流行によるためです。今年度こそは原点回帰し、是非とも対面で実施したいと思っていましたが今回も対面開催はかないませんでした。コロナ憎しです・・・。ただ、ネット開催であろうが対面開催であろうが発表内容の素晴らしさは変わらないと思います。いまから授賞者講演を心待ちにしています。

このたびはおめでとうございました。

併せて、今後の活躍に期待しています。

令和4年10月 日本油化学会関東支部 支部長 後藤 直宏


 

牛丸 和乗 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 機能化学研究部門 バイオケミカルグループ
「木質由来アニオン性界面活性剤を原料とするバイオベース材料の開発 ~特異な物性・機能および更なる物性向上に向けた取り組み~」

産学官の垣根を超えた幅広い分野の研究者が集う本学会において、本賞への選出という形で研究を評価いただき、大変嬉しくまた光栄に存じます。当該研究は界面活性剤から成る高分子材料の開発ということで、油化学会の中では風変わりな内容かと思います。本研究が持つ異分野の趣を、皆様の新たな研究の種や異分野融合のきっかけにしていただくと共に、私自身も本学会の皆様と多彩な研究を創出したいと思いますので、引き続きご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。

岡村 諭  花王株式会社 ハウスホールド研究所
「アニオン性界面活性剤を用いた固液界面の解析」

この度は、身に余る栄誉な賞を賜りまして、大変光栄に存じます。日頃からご指導いただいている宇都宮大学の飯村先生、本テーマに関するご議論をさせて頂いた皆様、並びに日本油化学会関東支部の皆様に深く御礼申し上げます。本テーマは界面活性剤の働きに関する研究であり、今後さらに本研究を深め、油化学及び産業界への十分な貢献ができるよう精進させていただく所存です。

Tran Ngoc Linh(チャン ゴック リン)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 産総研・筑波大 食薬資源工学オープンイノベーション 
「スクアレンの化学変換による有用化学品の合成及び水中での自己集合」

この度は、若手研究者奨励賞を授与して頂き、大変光栄に存じます。日頃にご指導いただいています産業技術総合研究所の有村隆志教授をはじめ、共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。今後はさらに研究を深め、スクアレン等の藻類バイオマス成分を利用した新たな材料を開発し、新しい分野を切り開けるよう本受賞を励みに精進して参ります。

小河 重三郎 東京農業大学 生物産業学部 食香粧化学科 
「生物学研究に向けてのビタミンEビークル調製に関する研究」

この度は若手研究者奨励賞を授与して頂き、ありがとうございます。この度の受賞研究は、成蹊大学で助教を勤める中、卒研生が頑張ってくれたこと、企業との共同研究となったこと、そして自身でも実験に従事し、最終的に分子生物化学者(井内勝哉氏)との初めてのコラボレーションを展開できたことなどから感慨深いものでした。共同研究者ならびにお世話いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

第9回(令和3年度)受賞者

第9回若手研究者奨励賞の受賞、おめでとうございます。

この賞は、40歳未満の若手研究者が行った年会での発表に対し、「もっと詳しく聞いてみたい」あるいは「多くの人に聞いて貰いたい」という視点から関東支部幹事の投票により選出する賞です。どうかそのような視点から選ばれた研究をご自身が行っていることを誇りに思ってください。そして、この賞を受賞されたのちに進歩賞やヤングフェロー賞などを受賞された若手研究者も過去にいらっしゃいます。是非、そのような賞を狙うきっかけにもしていただければと思います。

現在、日本油化学会の将来を担う若手研究者が減少しています。これは、学会の存続だけでなく、油化学という研究フィールド全体のレベル低下を招きます。受賞者の皆様におかれましては、今後の油化学の研究を引っ張っていくという自負心を持ち、これからも研鑽を積んでいただくことを心から期待しています。

なお、本年度も新型コロナウイルス感染予防の観点より、例年、年明けに油脂工業会館で行っている受賞講演会が中止となってしまいました。代わりに、来年度開催されるWCOS内で講演会を行う予定です。皆様の講演を拝聴する機会が少し伸びてしまいましたが、WCOSで拝聴できることを非常に楽しみにしています。

このたびはおめでとうございました。

 

令和3年11月 日本油化学会関東支部 支部長 後藤 直宏


 

石動 更 ライオン株式会社 研究開発本部 先進解析科学研究所
「胆汁酸塩/リン脂質混合ミセルに可溶化された脂溶性物質の生体膜モデル透過挙動」

この度は若手研究者奨励賞を授与して頂き、誠にありがとうございます。大変光栄に思うと同時に、身の引き締まる思いです。そしてなにより、ご指導いただいております東京理科大学 酒井秀樹先生、赤松允顕先生、共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。受賞テーマである、生体膜モデル透過挙動に関する研究は、人々の健康の向上に寄与できる意義深いものであると考えております。頂いた賞を励みに、より一層精進してまいりますので、今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。

乙木 百合香 東北大学大学院農学研究科
「アルツハイマー病者の認知機能低下と脳内リン脂質に関する研究」

この度は、身に余る光栄な賞を賜りまして、大変光栄に存じます。今回の受賞テーマは、研究は、東北大学大学院農学研究科機能分子解析分野および、UC Davis Food Science and Technologiesにて実施されました。日頃からご指導頂いている東北大学の仲川清隆教授、加藤俊治助教や機能分子解析学分野の皆様、UC DavisのAmeer Taha先生はじめ世界中におられる共同研究を通じて関わらせて頂いた皆様に心より感謝申し上げます。本受賞を励みに、脂質の精密解析を通したアルツハイマー病の予防法の開発に貢献できるよう精進して参ります。

斎藤 玲  ライオン株式会社 研究開発本部 先進解析科学研究所
「硫酸イオンによるカチオン界面活性剤のウイルス不活性化増強効果」

この度は、名誉ある若手研究者奨励賞を頂き大変光栄に存じます。共同研究者の皆様をはじめ、ご指導いただきました岡山理科大学の森川教授に心より御礼申し上げます。今回の受賞テーマは界面活性剤とウイルスに関する研究であり、タンパク質と界面活性剤の関係をより深く理解することの難しさと重要性を感じました。今後はさらに研究を深め、ウイルス感染症予防に繋げることで社会に貢献できるよう本受賞を励みに精進して参ります。

第8回(令和2年度)受賞者

境野 眞善 株式会社J-オイルミルズ/東北大学大学院農学研究科
「酸価の上昇に寄与するトリグリセリド由来酸性物質の研究」

この度は、栄誉ある若手研究者奨励賞を頂き、大変光栄に存じます。日頃からご指導頂いている東北大学仲川教授、加藤助教、伊藤助教や機能分子解析学分野の皆様、ならびに他の共同研究を通じて関わらせて頂いた皆様に感謝申し上げます。今回の受賞テーマは油脂の酸化に関する研究ですが、まだまだ道半ばです。受賞を励みに、油化学や油脂産業の発展に貢献できるよう研究を進め、社会にもっとおいしい油を提供できるよう精進して参ります。

 

吉竹 広記 花王株式会社 スキンケア研究所
「乾燥後もα-ゲル構造を維持するラメラ/ポリマー複合化製剤の開発」

この度は、名誉ある若手研究者奨励賞を頂き、大変光栄に存じます。共同研究者の皆さま、ご指導いただいている先生方、並びに今回企画いただいた皆さまに厚く御礼申し上げます。受賞テーマであるα-ゲルの構造維持に関する検討は、当初の仮説に反する結果となり、油化学の奥深さと面白さを改めて実感しました。本テーマは日常生活を想定した保湿技術の一環なので、益々多様化する生活様式に沿った提案ができるよう、今回の受賞を励みに一層尽力して参ります。

 

黒木 純子  株式会社コーセー 研究所 皮膚薬剤研究室フランス分室
「Electron diffraction analysis of intercellular lipids in human lip stratum corneum」

この度は、身に余る光栄な賞を賜りまして、大変光栄に存じます。ご指導いただいております関西学院大学の加藤知先生、中沢寛光先生、共同研究者の皆様、そして日本油化学会関東支部の皆様をはじめ、関係者の皆様に深く御礼申し上げます。今回の受賞テーマは口唇における脂質の構造解析に関する研究となっておりますので、今後は今回の研究から得られた知見を業界や油化学の発展へ繋げることのできるよう、本受賞を励みに、更に精進して参ります。今後ともどうぞよろしくお願い致します。


第7回(令和元年度)受賞者

松尾 一貴 ポーラ化成工業株式会社 横浜研究所
「化粧品製剤における、製剤安定化と感触設計について」

この度は奨励賞を表彰させていただき、誠にありがとうございます。研究成果が、日本油化学会や多くの方々に認められたということに、ただ感動しているばかりです。

今回受賞をいただいた化粧品製剤に関する研究は、まだまだ道半ばでごさいますので、さらなる一歩を踏み出し、妙なる価値を創造して参ります。また私自身も、技術へのあくなき探究心に溢れる研究員として、業界に貢献できるよう精進して参ります!

本当に光栄な賞をありがとうございました。

 

森垣 篤典 ライオン株式会社研究開発本部先進解析科学研究所
「環境調和型界面活性剤MESの液体洗剤への応用」

この度は、名誉ある若手研究者奨励賞を頂き大変光栄に存じます。共同研究者の皆さま、ご指導いただいている先生方に深く御礼申し上げます。受賞テーマである環境調和型界面活性剤MESの活用は、当社のサステナブル社会実現に向けた取り組みの一つであり、今後、その重要性は益々高まるものと予想されます。原料調達から廃棄までの全ての過程において、いかに地球環境に優しいかという視点を持ち、油脂の活用により社会に貢献できる研究を進めて参りたいと思います。

 

井内 勝哉  成蹊大学 理工学部 物質生命理工学科
「脂肪酸または酸化脂肪酸によって誘導される細胞死に関する研究」

この度は,栄誉ある日本油化学会関東支部若手研究奨励賞をいただき大変光栄に存じます。日頃からご助言いただきました成蹊大学久富寿教授,原節子教授,小河重三郎助教,ご協力いただいた共同研究者の皆様,そして企画していただいた皆様に心より御礼申し上げます。今回の受賞を励みにして,今後も細胞生物学の観点から油化学を研究してまいります。また,油化学の発展に貢献できるよう,より一層精進いたします。今後とも皆様のご支援,ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

 

高谷 直己 北海道大学大学院 水産科学院
「アポカロテノイドの調製と細胞機能に関する研究」

この度は「関東支部若手研究者奨励賞」という身に余る栄誉な賞を賜り、誠にありがとうございます。また、日本油化学会関東支部支部長はじめ、常任幹事、事業企画委員および幹事の諸先生方、ならびに運営に携わる全てのご関係者の皆様に深謝申し上げます。カロテノイドの生理機能研究を通して、得られた成果を社会に還元し、産業の発展や生活と健康の向上に寄与したい所存です。関東支部若手研究者奨励賞の名に恥じぬよう精進して参りますので、引き続きご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。



第6回(平成30年度)受賞者

赤松 允顕 東京理科大学理工学部
先端化学科
刺激で機能が変わる超分子材料の創出とその応用
加藤 俊治 東海大学医学部基礎医学系
生体防御学
多様なトリアシルグリセロール分子種から成る油脂の初期酸化メカニズム解析
上村 麻梨子 北海道大学大学院
水産科学院
スフィンゴイド塩基による抗酸化活性のメカニズム解明とその応用
花田 奈緒美 高級アルコール工業株式会社 アミドアルコール誘導体を利用した界面活性剤フリー乳化エマルション製剤の開発とその乳化特性
 

第5回(平成29年度)受賞者

本間 里佳 花王株式会社
ヘルスケア食品研究所
油脂中の微小構造体に着目した酸化反応制御
仲西 賢剛 ミヨシ油脂株式会社
食品本部
等温結晶化過程における分子間化合物の結晶化挙動について
奥田 卓馬 ライオン株式会社
機能科学研究所
ビタミンナノエマルションの細胞膜透過性
杉山 由紀 株式会社資生堂
グローバルイノベーションセンター
アクリレート/ポリエチレングリコールからなるコアコロナ型ポリマー粒子の物性とその特異な乳化特性

第4回(平成28年度)受賞者

阿久津 光紹 青葉化成株式会社 食品における酵素架橋ゼラチンの特異性とそれを応用した粉末魚油の可能性について
伊藤 隼哉 東北大学大学院 リノール酸ヒドロペルオキシドの異性体解析による食品の脂質過酸化機構の評価
竹石 友紀 株式会社ADEKA 疎水基部位の異なる疎水変性ポリエーテルウレタンポリマーの動的粘弾性挙動
伊村 芳郎 東京理科大学 界面化学の目線による貴金属ナノ触媒の応用に向けた新規展開

第3回(平成27年度)受賞者

飯田 泰浩 公益財団法人
日本食品油脂検査協会
トランス脂肪酸の分析法の特徴と食品中の含有実態について
高橋 裕 東京理科大学 刺激応答性界面活性剤の分子設計とその機能
荒川 崇 花王株式会社 αゲルを利用したサンスクリーン開発の新たなアプローチ
三上 大輔 北海道大学院 マリンセラミドを用いた皮膚研究-水産廃棄物はゴミか?資源学術的基礎の確立に向けてー

第2回(平成26年度)受賞者

黒川 博史 ライオン株式会社 グリセロールを炭素源としたLipomyces属酵母による油脂生産
山口 俊介 東京理科大学・株式会社
コスモテクニカルセンター
超臨界二酸化炭素法を用いたEOフリーニオソームの調整とその溶液物性
土屋 好司 東京理科大学 葉酸標識超音波造影微笑起泡の開発とその腫瘍細胞への集積性
吉永 和明 月島食品工業株式会社 食用油脂中トリアシルグリセロールにおけるトランス脂肪酸の位置特異的分析

第1回(平成25年度)受賞者

平 敏彰 独立行政法人
産業技術総合研究所
金属配位型界面活性剤(メタロサーファクタント)の設計と機能
-水中触媒反応への応用を目指してー
松木 麻依子 ライオン株式会社 分子会合体の状態解析とその応用 -ビタミンA高吸着性点眼剤の開発ー
宮澤 大樹 東北大学大学院
農学研究科
食品成分による認知症予防への基礎的取り組み
永井 利治 月島食品工業株式会社 ここまで分けられる!
~トリアシルグリセロール位置異性体および鏡像異性体分析法と油脂分析への応用~