若手研究者奨励賞

関東支部所属で年会にエントリーした40歳未満の若手研究者による研究を対象として、“多くの人に聞いていただきたい”研究成果や取り組みを、関東支部幹事による投票により選出しています。受賞者には油化学セミナーで講演いただきます。

 

このたびは、第13回若手研究者奨励賞のご受賞、誠におめでとうございます。関東支部を代表し、心からのお祝いを申し上げます。皆様がこれまで積み重ねてこられた研究の成果と、分野への大きな貢献に、深い敬意を表します。

若手研究者奨励賞は、次代を担う若手研究者の挑戦と努力をたたえるために設立されたものです。今回の受賞は、皆様が日々研究に注がれてきた情熱と探究心の結晶であり、その成果は学術の発展だけでなく、社会や産業にとっても大きな価値をもたらしています。

皆様のそれぞれの研究テーマはすべて、新しい可能性を示し、これからの研究者にとって大きな励みや希望となることでしょう。今後もその豊かな知識と経験を生かし、油化学分野をさらに発展させてくださることを心より期待しております。

重ねて、このたびのご受賞を心からお祝い申し上げるとともに、皆様のますますのご活躍をお祈りいたします。

令和7年10月 日本油化学会関東支部 支部長 荒牧 賢治

第13回(令和7年度)

新間 優子
株式会社アルビオン
「油剤組成変更が両連続ドメイン/液晶相共存型クレンジング製剤の微細構造と機能性に与える影響

この度は、栄誉ある若手研究者奨励賞を頂き、心より嬉しく思います。「両連続マイクロエマルション特有の構造と洗浄性を維持したまま増粘したい」という思いでこの研究に着手し、国内外の共同研究者のみなさまの協力を得ながら「界面膜の硬さに着目したフォーミュレーション手法」と散乱法・顕微鏡観察等の先端技術をクロスブリードすることで、これまでの研究結果を導き出すことができました。今後も本研究を発展させ、学術的な知見の蓄積とともに、この技術を応用し、社会に貢献できる製品開発へ繋げていけるよう精進してまいります。

塚越 詩織
雪印メグミルク株式会社
「低脂肪のマーガリン類中のゼラチンがフレーバー放出に与える影響

この度は、名誉ある若手研究者奨励賞を授与していただき、誠に光栄に存じます。ご協力いただいた共同研究者の皆さま、ならびに選出してくださった先生方に心より感謝申し上げます。今回の受賞テーマは、低脂肪マーガリン類中からのフレーバー放出機構の解明を目的としております。本成果は、健康志向の高まりや多様な食生活に応える油脂製品のフレーバー制御技術の発展に繋がるものと期待しております。今後もより一層研鑽を積み、研究成果の社会的有用性を高められるよう努めて参ります。今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。

西村 和也
昭和産業株式会社
「SAFE法を用いたコーン油加熱前後の特徴香気成分解析

このたびは、栄誉ある若手研究者奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。福島大学吉永先生をはじめ、ご指導いただきました皆様に深く感謝申し上げます。本研究は、SAFE法を用いてコーン油に特徴的な香気成分の解明を目指したもので、油脂およびその利用食品のおいしさと価値の向上に繋がると考えております。その過程で、油種特有の風味と微量成分を結び付ける研究の奥深さに触れ、研究者として大きな魅力を感じております。受賞を励みに、風味の科学的解明を通じて油化学と食品産業の発展に貢献できるよう精進してまいります。

半澤 将希
日光ケミカルズ株式会社 中央研究所 先端技術開発室
「リン脂質膜上で培養された皮膚常在菌バイオフィルムの洗浄機構

この度は、名誉ある賞を賜り誠に光栄に存じます。日頃よりご指導いただいております関係者の方々に深く御礼申し上げます。我々の研究グループでは、界面活性剤や脂質が皮膚常在菌バイオフィルムに及ぼしている物理化学作用を評価し、その制御を目的としております。生物科学と界面化学の融合領域の知見を深めていき、社会実装と油化学会の発展に貢献できるよう、より一層精進いたします。今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。