令和3年度物理化学インターカレッジセミナー兼日本油化学会界面科学部会九州地区講演会報告

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令和4年1月7日-8日の2日間、物理化学インターカレッジセミナー兼日本油化学会界面科学部会九州地区講演会を、Zoomによるオンライン開催として実施いたしました。今年度のセミナー世話人は九州工業大学・毛利恵美子が担当致しました。

今年度は2名の講師をお招きして、招待講演を行っていただきました。1日目は、大分大学の檜垣勇次先生による「両親水性ブロック共重合体の集積による水性秩序構造形成」、2日目は愛媛大学の秀野晃大先生による「産業用酵素を応用したセルロースナノファイバーの調製と改質」と題してお話いただき、学術的にも実用的にも興味深いお話をお伺いできました。

参加者は、49名[一般(教員を含む)15名; 学生34名]であり、学生は佐賀大学、福岡工業大学、福岡大学、九州工業大学、第一薬科大学からの参加でした。オンラインでの開催によって、部分的に参加することも可能となり、多忙な教員の皆様にも参加していただくことが可能になった側面もあるように感じました。今回のセミナーは、昨年に続き2年目のオンラインによる開催ということもあり、機器トラブルも少なく、スムーズに進行することができましたものと考えております。

各大学の学生から20分~10分の枠で18件の発表が行われました。学生による発表は、界面化学、高分子物理化学、液晶、無機コロイド、炭素材料など、物理化学を主軸とした多種多様な分野での研究報告があり、教員のみならず学生からも質問が発せられ、熱心に質疑および議論が交わされました。今後もこの傾向が続き議論が活性化することを期待しています。発表した学生にとっては、今後の研究の進展や発表の向上に向けて良い経験となり、今後の卒業研究や修士論文発表会の良い発表練習の機会になったと思います。

今回は、聴講した教員の投票による審査によって、優秀口頭発表賞5件の受賞者を選定しました。令和3年度の受賞者は以下のとおりです。

優秀口頭

 

 

 

発表賞

微細藻類を包埋した酸素生成能を持つナノファイバーの調製および評価 佐賀大院理工学 原口 椋多 M2
真空乾燥プロセスによるセルロースナノファイバーフィルムの形態制御 佐賀大院理工学 林田 凪々子 M1
長鎖アルキルアンモニウムの導入による単分散ナノシート積層型カラムの安定化 福工大院工 中嶌 裕二 M1
セルロースナノクリスタル‐高分子系複合粒子の調製 九工大院工 東 颯希 M1
1-Octyl-3-methylimidazolium 4-phenylazophenolate の

 

 

 

相挙動に対する共存イオン液体の影響

福岡大学院理学 三浦 千尋 M2

 

界面科学部会九州地区の更なる活性化を目指して、研究成果の発表を通して研究者間及び学生交流及び研鑽する場として今後も本セミナーを活用していきたいと考えております。令和4年度は福岡工業大学・三田肇先生のお世話で開催される予定です。

(報告:九州工業大学 毛利恵美子)