平成 30年度物理化学インターカレッジセミナー 兼日本油化学会界面科学部会九州地区講演会報告

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平成30年12⽉7、8 ⽇の両⽇、物理化学インターカレッジセミナー兼⽇本油化学会界⾯科学部会九州地区講演会が、福岡⼤学理学部会議室で開催されました。今年度のセミナーは福岡⼤学理学部化学科・勝本之晶の担当で開催致しました。参加者は、52名[講師2名; ⼀般(教員を含む)15名;学⽣37名]であり、学⽣は福岡⼤学、福岡⼯業⼤学、佐賀⼤学、第⼀薬科⼤からの参加でした。招待講演2件、⼝頭13件、ポスター14件の発表が⾏われました。今回は特に、⽇本油化学会の科研費【研究種⽬:国際情報発信化】の援助により、1名の外国⼈講師:Younsoo Kim先⽣(浦項⼯科⼤学、韓国)を招聘して、講演を⾏っていただきました。
平成30年度 物理化学インターカレッジセミナー兼⽇本油化学会界⾯科学部会九州地区講演会
2018年12⽉7⽇〜8⽇福岡⼤学理学部

 

1⽇⽬には、「⾷品におけるガラス転移温度の制御と品質設計」という演題で川井 清司先⽣(広島⼤学)の招待講演がありました。⾷品の⾷感という複雑な課題に対して、ガラス転移温度と含有⽔分の相関図を⽤いながら、⼤胆かつ精密に取り組む研究姿勢は、物理化学を学ぶことの⼤切さを改めて感じさせるものでした。

招待講演1 川井清司先⽣(広島⼤学)

2⽇⽬の招待講演は、海外から招聘したYounsoo Kim先⽣(浦項⼯科⼤学、韓国)によるもので「Biomimetic functional hydrogels withanisotropic structures」というタイトルでお話し頂きました。ゲルを構成する要素として、網⽬ではなく⽔に着⽬して、外部刺激で⾼速伸縮するゲルを創製したり、それをBZ反応系と組み
合わせて⾃励振動するゲルを実現させたり、まさに現代ソフトマテリアルの最先端という内容のご講演で、⾮常に興味をそそられるものでした。

招待講演2 Younsoo Kim先⽣(浦項⼯科⼤学)

学⽣による⼝頭・ポスター発表では、界⾯科学、⾼分⼦物理化学、気相分光、液晶、イオン液体、無機コロイドなど、物理化学を中軸とした多種多様な分野での研究報告があり、学⽣と先⽣⽅が熱⼼に議論を交わしました。また、続いて開催された懇親会では、普段なかなか話す機会のない他⼤学の学⽣や、招待講演の先⽣⽅との交流を深めながら、刺激的で有意義な時間を過ごしました。今回は、聴講者すべての⽅々の投票による審査によって、⼝頭およびポスター発表から、優秀講演賞2件と優秀ポスター賞2件の受賞者
を選定しました。平成30年度の受賞者は以下のとおりです。

招待講演1 川井清司先⽣(広島⼤学)

【優秀ポスター賞】
l 熱的及び構造評価に基づく(パルミチン酸/アラキジン酸)混合系の相挙動、佐賀⼤院⼯、江⼝優介、M1l Poly(N,N-dimethylacrylamide)ミクロゲルの準希薄⽔分散液の流動曲線に対する体積分率の影響、福岡⼤理、⽑利佳菜絵界⾯科学部会九州地区の更なる活性化を⽬指して、研究成果の発表を通して研究者間及び学⽣交流及び研鑽する場として今後も本セミナーを活⽤していきたいと考えております。平成31年度
は第⼀薬科⼤学・中原広道先⽣のお世話で開催される予定になっております。

(報告:福岡⼤学理学部化学科 勝本之晶)