令和2年度物理化学インターカレッジセミナー 兼日本油化学会界面科学部会九州地区講演会報告

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令和3年2月5日、物理化学インターカレッジセミナー兼日本油化学会界面科学部会九州地区講演会が、オンライン開催によって開催されました。今年度のセミナーは佐賀大学理工学部・坂口幸一の担当で開催致しました。参加者は、34名[一般(教員を含む)14名; 学生20名]であり、学生は佐賀大学、福岡工業大学、九州工業大学からの参加でした。今回のセミナーは、初めてオンラインによる開催ということもあり、招待講演とポスター発表を行わず、学生による口頭発表のみとしたため発表件数の減少が懸念されましたが、発表時間に少々自由度を与えることで発表を促し、16件の発表が行われました。オンライン学会も一般的になりつつある状況の中、発表や質疑応答では機器のトラブルなどもありましたが、臨機応変な対応をして頂き、無事にセミナーを終えることができました。

発表は、界面化学、高分子物理化学、液晶、無機コロイド、炭素材料など、物理化学を主軸とした多種多様な分野での研究報告があり、熱心に質疑および議論が交わされました。発表した学生にとっては、今後の研究の進展や発表の向上に向けて良い経験となり、今後の卒業研究や修士論文発表会の良い発表練習の機会になったと思います。昨今の状況下では、オンラインでの学会開催も増加することが予測され、発表者がオンラインでの発表に慣れることが必要であるのとともに、開催する我々にとっても招待講演の実施など、今回できなかったことをできるようにするといった課題が見つかり、環境の変化に適応できるよう精進が必要であることを実感しました。

今回は、聴講した教員の投票による審査によって、優秀口頭発表賞3件の受賞者を選定しました。令和2年度の受賞者は以下のとおりです。

優秀口頭

 

 

発表賞

酸化グラフェンの水分散状態に関するサイズ依存性 佐賀大学 赤木 芳菜子 M1
牛脂内包カプセルの高温局所への吸着挙動 佐賀大学 井上さくら B4
分解性ゲルを利用したシリル化ナノシートの合成 福岡工業大学 田中 一輝 M1

界面科学部会九州地区の更なる活性化を目指して、研究成果の発表を通して研究者間及び学生交流及び研鑽する場として今後も本セミナーを活用していきたいと考えております。令和3年度は九州工業大学・毛利恵美子先生のお世話で開催される予定になっております。

(報告:佐賀大学 坂口幸一)