平成18 年度物理化学インターカレッジセミナー 兼油化学界面科学部会九州地区講演会報告

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高椋先生(佐賀大、理工)の特別講演

油化学界面科学部会の九州地区講演会を兼ねます物理化学インターカレッジセミナーが平成18 年12 月1 日(土)および12 月2 日(日)の二日間にわたって福岡大学セナーハウスで開催されました。12 月の初旬にしては寒く感じられるなか、九州地区から佐賀大学、福岡大学、九州大学、鹿児島大学、州共立大学、熊本大学などからの、また、遠くからは富山大学からの参加者があり、一般20 名学生32 名で計52 名が参加するセミナーとなりました。
このセミナ主なねらいは、セミナーでの発表を通じて学生に研究やプレゼンテーション能力を少しでも向上してもらうことにあります。学生による12 件の口頭発表と10 件のポスター発表におて、それぞれ活発な議論が行われ、発表した学生はもちろんのこと今回発表のなかった学生にとっても非常に有意義なセミナーになったと思われます。発表内容は、界面活性剤物資の物性や応用が中心でしたが、機能性微粒子の作製、平衡状態の超音波吸収からの研究、液晶のずり誘起構造変化などの発表も行われ、多岐にわたるものでした。これらの学生による発表以外に、お二人の先生に特別講演をしていただきました。佐賀大学理工学部の高椋利幸先生には、「分子レベルで-みる水溶液有機溶媒と水の混合」と題して、溶液中での各分子の構造や運動が、広角X 線散乱(LAXS)、小角中性子散乱(SANS)、NMR の手法でどのように明らかにされるかを分りやすく説明していただき、参加者一同にとってこの分野の研究を知るよい機会となりました。

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ました。また、福岡大学名誉教授の田中満先生には「界面の熱力学」と題して講演をし
ていただきました。ミセルのような構成粒子数が少ない系の状態は通常の熱力学で表す
ことは難しく、small system thermodynamics による取り扱いが必要であり、それを進
めると新たな研究の展開が期待できるという内容で、このapproach は今後のこの分野の
研究に大いに活かせるように思われました。今年度のセミナーは福岡大学理学部物理化
学研究室の祢宜田と御園が世話役で開催させていただきました。来年度のセミナーは熊
本大学の桑原先生のお世話で開催される予定です。
(福岡大学、祢宜田啓史)