平成20年度物理化学インターカレッジセミナー 兼 日本油化学会界面科学部会九州地区講演会報告

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油化学会界面科学部会の九州地区講演会を兼ねた物理化学インターカレッジセミナーが平成20年12月6、7日の両日福岡大学セミナーハウスで開催されました。今回は、他学会などの重なりにより、一部の研究室が参加できませんでしたが、47名[講師3名; 一般(教員を含む)17名; 学生27名]の参加、福岡大学、佐賀大学、九州大学、九州産業大学、九州共立大学、福岡工業大学、大分大学、熊本大学、鹿児島大学など九州各地からの参加がありました。特別講演3件、一般と院生・学部生による口頭発表5件とポスター発表7件が行われました。
このセミナーの主なねらいは、セミナーでの発表を通じて院生・学生に研究やプレゼンテーション能力を少しでも向上してもらうと共に、他大学との交流で広い視野を持ってもらうことにあります。

特別講演風景

特別講演は、界面化学に関して、九州大学大学院教授の荒殿誠先生より、「ソフト界面の状態と状態転移-マクロとミクロ」と題して、界面での活性剤分子の状態について、熱力学的実験、光学的実験など幅広い、しかしまとまった報告がありました。残りの2件は、学生が将来関わる可能性のある生命化学に関する報告がなされました。その一件は、企業から(株)ビジョンバイオ社長の塚脇博夫先生より「最新の技術による食品の安心・安全の確保について」と題して、食の安全に関わる最前線の食品検査の現状報告と最新技術の紹介が行われました。もう1件は、九州共立大学教授の甲斐原梢先生より「弾性線維蛋白質エラスチンの構造・物性・機能」と題して、細胞外マトリックス蛋白質エラスチンの動脈硬化との関わりとその物性に関する報告がありました。講演を通して活発な質問と議論がありました。ただ学生・院生からの質問は少なかったようですが、ポスターでは、右の写真に見られるように、学生・院生同士の活発な議論がありました。

一般・学生による口頭発表およびポスター発表の内容は、界面活性剤物性・応用、コロイド化学、溶液化学、微生物化学など多岐に渡っており、有意義な相互の分野の交流がなされました。今後も、本セミナーが幅広い研究交流の場となり、延いては界面科学部会九州地区の発展へと繋がることを期待します。

 

 

なお、今年度のセミナーは九州共立大学の秋貞の世話役と福岡工業大学の桒原の協力で開催させて頂きました。来年度は佐賀大学の滝澤先生のお世話で開催される予定です。
(報告:九州共立大学、秋貞英雄)

参加者一同