界面科学実践講座2008-基礎と応用-(東海)

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主催:日本油化学会東海支部、日本油化学会界面科学部会(東海)協賛:日本化学会、色材協会、東海化学工業会、愛知工研協会、名古屋市工業技術振興協会日時:平成20年12月5日(金)9:20~17:00場所:名古屋市工業研究所第1会議室(管理棟3F)

プログラム

●9:30~10:45
「界面活性剤概論~身の回りの界面現象を中心に~」名古屋工業大学大学院工学研究科多賀圭次郎氏我々の身の回りには、気相・液相・固相の組み合わせからなる多くの界面が存在し、何気ない日々の生活の中にも多くの界面が利用されている。これら界面が引き起こす様々な現象の解明と、界面の修飾による新しい機能発現に向けての研究も広く行われている。ここでは界面活性剤の基礎を中心に解説し、新規な物性についても紹介する。

●10:45~12:00
「乳化の基礎と応用」中京油脂株式会社開発センター伊藤芳郎氏乳化の基礎について、各種乳化方法やそこで用いられる界面活性剤と工業的な製造装置などの概説を行い、化学および物理的な現象としての「乳化」を解説する。応用としては、乳化によって製造される製品や検討例を紹介する。

●13:00~14:15
「皮膚洗浄剤の処方における界面活性剤の役割」花王株式会社ケアビューティ研究所田島準氏現在、市場では非常に多くの種類の皮膚洗浄剤が上市されている。それら製品の処方においては、洗浄基材である界面活性剤の選択と製剤化においての工夫が重要な差別化のポイントとなってくる。本講演では皮膚洗浄剤に配合されている界面活性剤の皮膚への作用や物理化学的な性質等を解説し、そして実際に処方を設計する際に留意すべき点などを解説する。

●14:30~15:45「
分散・凝集性高分子とその設計指針」東亞合成株式会社高分子材料研究所森嘉男氏各種媒体スラリーの分散、凝集を促進させる為に各種高分子が使用される。分散と凝集は相反する現象として捉えられるものの、それらを左右する高分子の基本的設計指針には多くの共通点がある。当日は実例を例示しながら、直感的で平易な解説を行う。

●15:45~17:00
「自己複製するジャイアントベシクル―化学で挑む細胞モデルの構築―」東京大学大学院総合文化研究科菅原正氏近年、自己集合体や超分子という高次の構造体から、生命というマクロな高次機能を成り立たせている仕組みを探ろうという研究に関心が集まっている。本講演では、両親媒性分子(膜分子)が水中で自己集合化し形成するベシクルを用いて、ベシクル型自己複製系を創る研究を紹介する。さらに、ベシクル膜の内側で、DNAを鋳型としたヌクレオチドの重合も起こることが分かった。分子集合体が自発的に示すダイナミクスについても併せ紹介したい。

●17:00~19:00
「懇談会」
参加費:普通会員・法人会員・協賛団体会員:10,000円、学校・官公庁:5,000円、学生:無料、非会員:14,000円

参加者数:98名(講師、関係者含む)この講座は、界面科学に関わる基礎的な内容を、演示実験を交えて判り易く説明しています。また、学生の皆さんの参加費が無料ということもあり、特に今年は多くの皆さんに参加して頂きました。今年度も、例年通り、12月の第1週の金曜日に開催の予定です。次回のご参加をお待ちしております。