去る平成19 年12 月1、2 日の両日、油化学会界面科学部会の九州地区講演会を兼ねる物理化学インターカレッジセミナーが福岡大学セミナーハウスで52 名[講師2 名; 一般(教員をむ)19 名; 学生31 名]の参加により開催されました。福岡大学、佐賀大学、鹿児島大学、九州大学、長崎国際大学、九州共立大学、熊本大学など九州各地から、一般および学生が多く参加し、特別講演2 件、大学院生および学部生による口頭発表11 件とポスター発表15 件が行われました。
特別講演として、元琉球大学教授の小柳元彦先生より、「赤土問題の基礎物理化学的視点」と題して、赤土による汚染問題をはじめとした沖縄の局地的な問題を、コロイドなどの物理化学的な観点からご講演いただきました。また、教育的に興味深い話題でも聴講者を惹きつけていらっしゃいました。
小柳先生の特別講演
東京理科大学の大竹勝人教授には、「超臨界二酸化炭素用界面活性剤の開発」と題してご講演をして頂きました。環境調和型代替溶媒である超臨界二酸化炭素は極性が低いことが問題点です。極性の高い分散相を安定に形成し、その応用の可能性を拡げることのできる界面活性剤の分子設計およびその評価方法を丁寧に解説して頂きました。
大竹先生の特別講演
学生による口頭発表およびポスター発表の内容は、界面科学、コロイド化学、生物物理化学など多岐に渡っており、有意義な相互の分野の交流がなされました。今後も、本セミナーが幅広い研究交流の場となり、延いては界面科学部会九州地区の発展へと繋がることを期待します。
なお、今年度のセミナーは熊本大学大学院自然科学研究科の桑原の世話役で開催させて頂きました。来年度は九州共立大学の秋貞先生のお世話で開催される予定です。
(報告:熊本大学、桑原穣)