部会長 合谷祥一(香川大学農学部) | ||
日時 | : | 2014年9月9日(火)12:00? |
場所 | : | ホテルロイトン札幌E会場(クリスタルルームA) (第53回油化学会年会会場内) |
日本油化学会第53回年会における界面科学部会のランチョンシンポジウムは年会初日9月9日(火)12:00からE会場(クリスタルルームA)で開催した。横浜国立大学理工学部准教授荒牧賢治先生の司会進行のもと、信州大学工学部物質工学科准教授の酒井俊郎先生に「ナノ材料創製における両親媒性分子・高分子の新たな可能性」という演題で講演をしていただいた。講演に先立って、部会長の合谷が講演者の酒井先生の研究業績等について簡単な紹介を行った。参加者は40名ほどであった。
講演では、講演者が見いだした、親水性のポリエチレンオキシド(PEO)鎖と疎水性のポリプロピレンオキシド(PPO)鎖からなるブロックコポリマーによる金属ナノ粒子の合成(ブロックコポリマー法)について、詳細に紹介、解説された。本方法では、例えば、PEO-PPOブロックコポリマー水溶液と塩化金酸水溶液を混合するだけで、このブロックコポリマーが金属イオン還元能を有するため、室温下で[AuCl4]-が還元され、金ナノ粒子が容易に形成される。本講演ではさらに、金ナノ粒子、銀ナノ粒子のサイズ・形状制御、金-銀ナノ複合化、シリカ粒子上への金 ナノ粒子の集積化および、アミノ基を末端に有する PEO-PPO ブロックコポリマーを用いた金ナノ粒子の合成についても紹介された。講演の後、会場から複数の質問があり、活発な質疑応答がなされ、有意義なランチョンシンポジウムであった。