界面科学実践講座2009-基礎と応用-(東海)

Posted on
界面科学技術は、様々な産業界で幅広く利用され、モノ造りにおいて見落とすこ
とのできないポイントとなっています。しかし、最近では大学においての界面科
学の講座が減る傾向にあり、界面科学に対する基礎知識が不足しています。この
様な背景から、本講座は、界面科学関連企業の新入社員、業務上界面科学の基礎
知識が必要な中堅社員及び営業関係の方を対象として、各産業界で生かせる界面
科学の基礎と最近のトピックスを中心に、「わかりやすい」をモットーに毎年開
催しております。各講義では、難しい物理化学の理論式はできるだけ避け、各講
師の経験談や実験等により、参加者の皆様が感覚的に界面科学を理解して頂ける
よう工夫をしております。多数の皆様のご参加を期待しております。また、学生
参加費は500円としておりますので、学生の皆様にも積極的にご参加いただく
ことを期待しております。界面科学の基礎知識を習得するため、そして、それら
が産業界でどのように役立っているのかを知るために、一度参加してみませんか。

主 催 日本油化学会東海支部、日本油化学会界面科学部会(東海)

協 賛 日本化学会、色材協会、東海化学工業会、愛知工研協会、
    名古屋市工業技術振興協会、化学工学会東海支部、高分子学会東海支部

日 時 平成21年12月4日(金) 9:20~17:00

場 所 名古屋市工業研究所 第1会議室(管理棟3F)
    名古屋市熱田区六番三丁目4-41 ℡ 052-661-3161
   [交通]地下鉄、市バス、三重交通バス「六番町」下車、南西へ徒歩2分

【プログラム】
1.「界面活性剤概論: 界面活性剤の機能と用途」 ●9:30~10:45
   名古屋市立大学大学院 薬学研究科 宮田 勇 氏

   界面活性剤(surfactant)は、その分子内に疎水基(hydrophobic group)
   と親水基(hydrophilic group)をもつ両親媒性物質(amphiphilic substance)
   の総称である。界面活性剤の歴史、現代の製造方法、応用分野および界面
   活性剤の機能を界面化学現象と合わせて解説する。

2.「乳化の基礎」               ●10:45~12:00
   日本メナード化粧品株式会社 総合研究所 坂 貞徳 氏

   乳化は互いに混ざり合わない水と油を混ぜ合わせることにより高機能材料
   として用いる技術であり、医薬品、食品、化粧品など広範囲の産業分野に
   汎用されている。ここでは乳化の利用・理解について基礎となる乳化の種
   類及び調製法、乳化剤の選択、乳化の安定性などについて触れ、乳化と異
   なり熱力学的に安定な系である可溶化との比較についても解説する。

3.「土木建築用界面活性剤の役割と特性」    ●13:00~14:15
   竹本油脂株式会社 第三事業部 研究開発部 木之下 光男 氏

   土木建築用途向けの機能付与剤として界面活性剤が大きな役割を果してい
   る。コンクリート用の高性能減水剤や地盤改良用の流動化剤として水溶性
   ポリカルボン酸系高分子活性剤、或いはその他のアニオン系や非イオン系
   活性剤の適用が、高強度や高耐久の水硬性材料を製造するためのキーテク
   ノロジーとなっている。ここでは基本的な原理、化学構造及び分散メカニ
   ズムについて解説し、適用例について紹介する。

4.「粒子分散の基本的な考え方         ●14:30~15:45
   ~塗料における顔料分散を題材にして~」             
   日本ペイント株式会社 色彩技術研究所 小林 敏勝 氏

   粒子分散系の製造は界面科学が深く関与する重要な分野の一つである。塗
   料工業では顔料という着色した粒子径が数十nm~数十μmの粒子をビヒ
   クル中に分散させて用いており、分散工程は塗料製造プロセス中でも重要
   視されている。本講では、顔料分散を題材として、分散のための粒子表面
   性質評価、粒子への高分子吸着、粒子分散の単位過程、粒子のぬれと分散
   安定化、等について解説する。

5.「光による高分子の1次構造および高次構造の制御 ●15:45~17:00
   ~光リビングラジカル重合による分子量の制御と光反応による自己組織化の制御~」 
   豊橋技術科学大学 工学部物質工学系 吉田 絵里 氏

   ブロック共重合体に代表される高分子界面活性剤は、その機能や性能の点
   から分子量やセグメント構造が厳密に制御されたものであることが望まし
   い。光による構造制御は、環境的メリットだけでなく局所的な応用が可能
   であるという点でも重要である。本講演では、最近開発された、安定ラジ
   カルを用いた光リビングラジカル重合による高分子の分子量制御と、光分
   解や光転位に誘発されるブロック共重合体の新規な自己組織化の制御につ
   いて紹介する。

「懇談会」                   ●17:00~19:00
(講座参加者は懇談会参加無料、軽食、飲物付:同所情報交流フロア(管理棟2F))
講義頂いた先生方を交え、参加して頂いた皆様と懇親を深めたいと思います。
是非ご参加下さい。

参加費 普通会員・法人会員・協賛団体会員:10,000円、 
    学校・官公庁:5,000円、
    学生:500円、非会員:14,000円  (定員:100名)

申込方法 申込書に氏名、所属等をご記入の上、FAXにて下記へお申込下さい。
     参加費は現金書留または銀行振込にてお支払い下さい。

連絡先 〒460-0008 
    名古屋市中区栄二丁目17-22 中部科学技術センター内
    日本油化学会東海支部 ℡ 052-231-3070 FAX 052-204-1469

振込先 みずほ銀行 名古屋支店 普通預金口座No.110352 1103542
    社団法人 日本油化学会東海支部

申込締切 平成21年11月27日(金)