面科学技術は、さまざまな産業界で幅広く利用され、モノ造りにおいて 見落とすことのできないポイントとなっています。しかし、最近では大学 においての界面科学の講座が減る傾向にあり、界面科学に対する基礎知識 が不足しています。このような背景から、本講座は、界面科学関連企業の 新入社員、業務上界面科学の基礎知識が必要な中堅社員および営業関係の 方を対象として、各産業界で活かせる界面科学の基礎と最近のトピックス を中心に、「わかりやすい」をモットーに毎年開催しております。各講義 では、難しい物理化学の理論式はできるだけ避け、各講師の経験談や実験 等により、参加者の皆様が感覚的に界面科学を理解していただけるよう工 夫をしております。多数の皆様のご参加を期待しております。また、学生 参加費は500円としておりますので、学生の皆様にも積極的にご参加い ただくことを期待しております。界面科学の基礎知識を習得するため、 そして、それらが産業界でどのように役立っているのかを知るために、 一度参加してみませんか。 主 催:日本油化学会東海支部、日本油化学会界面科学部会(東海) 協 賛:日本化学会、色材協会、東海化学工業会、愛知工研協会、 化学工学会東海支部、高分子学会東海支部 日 時:平成22年12月3日(金) 9:20~17:00 場 所:名古屋市工業研究所 第1会議室(管理棟3F) 名古屋市熱田区六番三丁目4-41 ℡ 052-661-3161 [交通]地下鉄、市バス、三重交通バス「六番町」下車、南西へ徒歩2分 【プログラム】 9:30~10:40 1.「界面活性剤概論-構造・物性・機能を中心に」 愛知工業大学工学部 応用化学科 村田 護 氏 界面活性剤は構造的には分子内に親水部と疎水部をあわせもつ化合物の 総称であり、両親媒性物質とも呼ばれる。その基本的な機能は界面への 「吸着」と溶液内部での「分子集合体形成」(ミセル化、自己組織化)で ある。その結果として乳化、分散、起泡、可溶化、浸透、潤滑、帯電防止 などの様々な機能を発現する。洗剤が最も身近な応用ではあるが、さまざ まな分野での利用がなされている。界面活性剤の構造と水溶液の物性、 機能を中心に解説する。 10:50~12:00 2.「乳化の基礎」 日本メナード化粧品株式会社 研究技術部門 第三部 坂 貞德 氏 乳化は互いに混じり合わない水と油を混ぜ合わせることにより高機能材料 として用いる技術であり、医薬品、食品、化粧品など広範囲の産業分野に 汎用されている。ここでは乳化の利用・理解について基礎となる乳化の種 類及び調製法、乳化剤の選択、乳化の安定性などについて触れ、乳化と異 なり熱力学的に安定な系である可溶化との比較についても解説する。 13:00~14:10 3.「ポリグリセリン脂肪酸エステルの特性と用途」 太陽化学株式会社 インターフェイスソリューション事業部 研究開発グループ 高橋 宏輝 氏 ポリグリセリン脂肪酸エステルは、親水基にポリグリセリン、疎水基に 脂肪酸を有する非イオン界面活性剤である。食品添加物にも適合する安全 性の高い界面活性剤であり、構成成分がグリセリンと脂肪酸であることか ら、近年はグリーンケミストリー素材としても注目されている。本講では、 ポリグリセリン脂肪酸エステルの特性や機能、および食品分野をはじめと して、化粧品やトイレタリー、工業分野での応用事例について紹介する。 14:20~15:30 4.「消泡剤の基礎とその応用」 サンノプコ株式会社 機能ケミカルス研究部 機能活性剤グループ 村上 悟 氏 消泡は、さまざまな産業分野において重要な役割を担う現象であり、消泡を コントロールする消泡剤は、少量でありながら対象とする工程の生産性や品 質を大きく左右する大変重要なケミカルである。本講演では、消泡剤の基礎 からその評価方法、実際工程での応用例など広く解説する。 15:40~16:50 5.「光硬化型樹脂の密着性~似たもの同士がよく密着するのか?~」 東亞合成株式会社 高分子材料研究所 稲田 和正 氏 光硬化型樹脂とは、液体に光を照射すると瞬時に硬化する樹脂のことであり、 高生産性、低VOC、微細形状付与等のメリットがあるが、基材との密着性が しばしば問題となる。本講演では、光硬化型樹脂の密着性について、化学構 造の似たもの同士が本当によく密着するのかという観点から演者らが調べた 結果を紹介するとともに、Fowkes式による界面での最適接着条件に対する検 証結果についても紹介する。 「懇談会」17:00~19:00 ご講義いただいた先生方を交え、ご参加いただいた皆様と懇親を深めたいと 思います。ぜひご参加下さい。 (講座参加者は懇談会参加無料、軽食、飲 物付:同所情報交流フロア(管理棟2F)) 参加費:普通会員・法人会員・協賛団体会員:10,000円、 学校・官公庁:5,000円、 学生:500円、 会員外:14,000円 (定員:100名) 申込方法:申込書に氏名、所属等をご記入の上、FAXにて下記へお申込下さい。 参加費は現金書留または銀行振込にてお支払いください。 連絡先:〒460-0011 名古屋市中区大須1丁目35 番18 号 一光大須ビル7 階 中部科学技術センター内日本油化学会東海支部 TEL 052-231-3070 FAX 052-204-1469 振込先:みずほ銀行 名古屋支店 普通預金口座 No.1103542 社団法人 日本油化学会東海支部 申込締切:平成22年11月26日(金)