平成13年度活動実績

洗浄・洗剤部会の平成13年度活動は、10月の油化学会年会における「ランチョンセミナー」および11月に「洗浄に関するシンポジウム」の開催を行った。

1.「ランチョンセミナー」

仙台で行われた年会のランチョンセミナーは、一昨年の洗浄シンポジウム参加者に行ったアンケート調査の中で特に関心の高かった「身体洗浄」をテーマに取り上げ、味の素(株)の中西紀元氏に「ヒトに優しい洗浄剤・スキンケア製品の機能性」と題する講演をしていただき、その後、ご関心のある参加者と気軽に情報交換並びに議論を行った。約60名の参加があり、お弁当を食べながらの気軽な雰囲気で意見交流ができた。

2.「洗浄に関するシンポジウム」

洗浄に関するシンポジウムは毎年秋に開催し、昨年で33回を数えるに至っている。当シンポジウムは衣類の洗浄に限らず広く洗浄に関わる話題についてテーマを決め、講師を招いて講演して頂くと共に、洗浄に関わる産業や大学の若手研究員を中心としたオリジナル研究発表・討論・情報交換の場を提供している。開催地は関東(東京中心)で2回、関西で1回のペースで東西交互に開催しており、平成13年度は学術総合センターの一橋記念講堂において、11月21日(水)、22日(木)の2日間で開催した。招待講演は、

  •   被服衛生学-着心地研究の枠組と研究事例;文化女子大学 田村 照子氏
  •   半導体洗浄技術の現状と展望;ソニー(株) 服部 毅氏
  •  衛生陶器釉薬の改良による防汚性能の向上とその衛生性評価について;東陶機器(株) 一木 智康氏
  •   泡の発生と破泡;ライオン(株) 金子 行裕氏
  •  最新の全自動洗濯機の特徴と性能;共立女子大学 斎藤 昌子氏
  •  洗剤ゼロコース搭載洗濯機の性能について;日本石鹸洗剤工業会 鈴木 哲氏

の6件を企画し、被服衛生、半導体洗浄や、衛生陶器といった被洗浄物から、洗剤の主成分である界面活性剤溶液の基礎物性的なもの、そして洗濯機の実態などハードの面にいたるまで幅広い話題を取り揃えた。

またオリジナル研究発表は粒子汚れ、機械力などの洗浄理論・洗浄方法、環境への評価、新規界面活性剤、など洗剤の開発・特性、など17件の発表があった。

一昨年のアンケート意見で、講演と講演の間の時間配分にゆとりがなく、議論が十分できないとの指摘があったので、今回のプログラムではフロアーディスカッションの時間を設け、講演者・発表者と参加者が議論する時間がとれるように工夫したところ、活発な議論が行われるようになった。参加者は大学、研究機関、繊維、アパレル、洗剤、洗濯機、原料、流通などの方々が、また韓国の洗剤・洗濯機メーカーからも数名の参加者があり、総勢143名と大変盛況であった。

初日終了後には会場に隣接する如水会館にて懇親会を開催し、シンポジウムでの盛り上がりをそのままに、洗浄研究を肴に議論をしたり、人脈作りにと和やかに懇親を深められていた。

平成14年度の部会活動は、昨年以上に活発なものとするため、年会ランチョンセミナーでは部会員および参加者の皆さんと洗浄研究の方向性や部会運営について意見交換の時間を設けて、活動に反映していきたいと考えています。また恒例の洗浄シンポジウムではオリジナル研究発表および討論の場を更に多く提供し、皆様の洗浄研究を支援できるよう工夫していきたいと、考えています。

このように洗浄・洗剤部会では皆さんと共に発展することを目指しております。皆さんの部会への積極的な参加と助言をお願いいたします。


洗浄シンポジウムの会場風景