平成12年度活動実績

洗浄・洗剤部会の平成12年度活動は「洗浄に関するシンポジウム」の開催を主に行った。

本シンポジウムは毎年秋に開催しているもので、既に32回を数えている。広く洗浄に係わる話題についてテーマを決め、講師を招いて講演して頂くと共に、産学会の若手研究員を中心とした洗浄関連の研究発表・討論の場として機能してきた。開催地は関東(東京中心)で2回、関西で1回のペースで東西交互に開催しており、平成12年度は大阪市立大学学術情報総合センターに会場を借り、11月30日(木)、12月1日(金)の2日間で開催した。

平成12年度の招待講演は、

  • 敏感肌用の洗浄剤・スキンケア製品の機能性;味の素(株) 伊能正浩氏
  • 液晶を用いたエマルションの生成とクレンジング剤への応用;花王(株) 鈴木敏幸氏
  • 両親媒性高分子電解質と界面活性剤ミセルとの相互作用;大阪大学橋爪章仁氏
  • カルシウム石けん分散剤およびハイブリッド洗浄剤の開発;大阪市立工業研究所武田徳司氏
  • 水洗い洗濯性能評価について;繊維製品新機能評価協議会伊藤博氏
  • 全自動洗濯機の変化と洗濯行動;日本石鹸洗剤工業会鈴木哲氏

の6件を企画し、身体洗浄剤、洗濯用石鹸など商品開発に係わる話題から、界面活性剤溶液の物性と言った基礎的なもの、繊維製品の取り扱い方法、洗濯実態など幅広い話題を取り揃えた。

またオリジナルレポート(研究発表)は洗浄理論・洗浄方法、新規界面活性剤・酵素など洗剤原料の開発・特性、環境リスク評価など13件の発表があり、活発な討議が行われた。

参加者は韓国の洗剤、洗濯機メーカーからの4名を加え、企業から70名以上、大学・研究機関から37名など、総勢122名と大変盛況であった。初日終了後には会場内のレストランで懇親会を開催した。シンポジウムでの熱気をそのまま持ち込み、和やかな懇談の中にも熱心な議論が続けられた。

また、今後の部会活動を更に活発なものとするため、シンポジウム参加者を対象にアンケートを実施した。その結果、講演テーマとしては“洗濯機関連”“環境・安全性関連”“洗浄方法・洗浄技術”などのテーマ希望があり、シンポジウムの開催場所や開催日等に関しては従来通りの開催パターンが支持されていた。一方、講演と講演の間の時間配分にゆとりのない場合があり、議論が十分尽くされない内に時間切れとなるケースがあったことから、プログラムの進行に工夫が必要との意見もあった。2001年度のシンポジウムを企画する上で参考とさせて頂く所存です。

最後に、部会活動を更に活発にしていくため、皆さんの部会への積極的な参加と助言を期待しています。共に考えていきましょう。

第32回 洗浄に関するシンポジウム

主 催 日本油化学会 洗浄・洗剤部会

協 賛 日本家政学会、繊維学会、日本繊維製品消費科学会

日 時 平成12年11月30日(木)~12月1日(金)

会 場 大阪市立大学 学術情報総合センター 10階