第60回関西油化学講習会(油技術講座) -美と健康を高める日本発イノベーション- (2018.11.21)

主題:美と健康を高める日本発イノベーション

本講習会では、学界や業界で第一人者としてご活躍の講師の方々に当該テーマについて平易に解説していただきます。様々な分野から多数のご参加をお待ちいたしております。奮ってお申し込み下さい。

  • 主催:(公社)日本油化学会関西支部協賛:日本化粧品技術者会
  • 日時:平成30年11月21日(水)9時30分~17時10分
  • 会場:大阪産業技術研究所
    (〒536-8553大阪市城東区森之宮1-6-50)
    JR大阪環状線・地下鉄中央線または長堀鶴見緑地線「森ノ宮」駅下車、
    4番出口東へ300mの都市基盤整備公団と赤十字血液センターの間の角を北へ300m、森之宮小学校北隣。徒歩約10分。
  • 参加費(テキスト代を含みます。)
    本会正会員、もしくは本会法人会員・協賛団体会員会社の勤務者
    15,000円
    本会法人会員会社に勤務している正会員
    12,000円
    大学・官公庁の正会員
    10,000円
    学生会員
    5,000円
    会員外
    20,000円
  • 申込先
    〒565-0871大阪府吹田市山田丘2-1
    大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻
    木田研究室内(公社)日本油化学会関西支部
    関西油化学講習会担当
    [電話06-6879-7920 FAX06-6879-7923]
  • 申込方法
    氏名、会員番号(正会員・学生会員の場合)、勤務先、連絡先所在地、電話番号、FAX番号、メールアドレスを明記の上、郵便またはFAXでお申し込み下さい。第60回関西油化学講習会のホームページ(http://sites.google.com/view/2018jocs-west-seminar/)からのお
    申込みも受付けています。参加費は締切日までに銀行振込で前納して下さい。なお、納入された参加費は返金いたしかねますので、予めご了承下さい。
  • 銀行振込先:池田泉州銀行大宮町支店・普通預金口座78953
    公益社団法人日本油化学会関西支部事務局
    申込締切11月7日(水)[定員70名:先着順]
  • プログラム:
    1.「白色活性炭:複雑な体臭を消臭するための新規デオドラント素材」
    (株)マンダム 基盤研究所
    原武史氏 (9:35-10:35)
    ヒトの体臭は、頭部、腋窩、足裏など部位によって独特な臭気を有している。その原因として、各部位毎に主要なニオイ物質が存在するからである。代表的な成分に、ジアセチルやイソ吉草酸、ノネナールなどが挙げられる。我々は、この複雑な体臭に対し、幅広く消臭機能を有する新たなデオドラント素材として白色活性炭を開発した。本講演では、研究の着想から白色活性炭の開発に至るまで、研究結果を基に紹介する。 

  • 2.「血流改善作用とコラーゲンペプチドによる肌の保湿効果を有する機能性表示食品」
    江崎グリコ(株) 健康科学研究所
    宅見央子氏 (10:45-11:35)
    今年1月に、モノグルコシルヘスペリジンおよび魚由来低分子コラーゲンを機能性関与成分とした機能性表示食品の届出が完了した。コラーゲンペプチドを関与成分とし、肌に関する表示が認められたのは初めてのことである。モノグルコシルヘスペリジンについては、血流改善作用について研究してきた内容を、コラーゲンペプチドについては、機能性関与成分と認められるために実施した工夫や、作用機序について紹介する。

     

  • 3.「皮膚へのマイルド性と皮脂汚れの洗浄力の高度な両立技術」
    花王(株) スキンケア研究所
    加賀谷真理子氏(12:35-13:35)
    皮膚洗浄において、マイルド性と皮脂洗浄力は最も重要な要素である。しかしながら、これらは共に洗浄剤中の界面活性剤により支配されるため、一般的にトレードオフの関係にある。即ち、マイルドな界面活性剤は洗浄力が低く、一方、洗浄力が高いと皮膚刺激が強くなる。我々は、界面活性剤と汚れとの間で働く特異的な相互作用を利用することで、両者を高いレベルで両立できる系を見出し、全身洗浄料への応用を実現した。

  • 4.「史上初シワ改善医薬部外品リンクルショットメディカルセラム開発の軌跡」
    ポーラ化成工業(株) 研究・企画担当
    末延則子氏(13:45-14:45)
    2016年7月、日本で初めて「シワを改善する」薬用化粧品、“ポーラリンクルショットメディカルセラム”が厚生労働省により承認され、新たな美容の領域が切り拓かれた。着想から15年、“化粧品では、シワは改善しない。”という既成概念を打破するため、我々開発チームは、3つの大きな壁を越えるため、粘り強い努力と創意工夫を行った。その開発の軌跡と、イノベーティブな商品を生み出すために必要な事は何かを考察したい。

     

  • 5.「ビフィズス菌を配合した機能性表示食品「内脂サポート」の開発」
    (株)ファンケル 総合研究所
    中川公太氏(14:55-15:55)
    「内脂サポート」は、ビフィズス菌の腸内環境改善作用により体重・体脂肪を減らす効果を謳った機能性表示食品であり、ビフィズス菌が「生きたまま腸へ届く」ことを特徴としている。本製品の製剤化に当り、胃酸耐性の低いビフィズス菌の保護を目的として耐酸性ハードカプセルを採用した。更に、サプリメント製造において既に旧世代の添加剤となったナタネ硬化油脂末の配合により、胃内滞留中の製剤内部への胃液の浸透を抑制し、ビフィズス菌を生きたまま腸へ送達することを可能とした。

     

  • 6.「細胞膜模倣ジャイアントユニラメラベシクル(GUV)と角膜上皮細胞に対する脂溶性ビタミンナノエマルションの膜透過挙動」
    ライオン(株)先進解析科学研究所
    三宅深雪氏(16:05-17:05)
    エマルションは脂溶性成分を細胞内に届けるために有効なキャリアであるが、実際どのような細胞透過機構に関わるかは不明な点が多い。点眼剤に配合されるビタミンAの角膜細胞に対する有効性が、ナノエマルション(NE)の組成によって異なることから、NEの相互作用で起こる細胞膜模倣GUVや角膜細胞の変化を解析した。その結果、有効性が向上したNEは、膜に吸着してエンドサイテックな膜のダイナミクスを誘引する、効果的な膜透過機構を持つことが明らかになった。